片栗

katakuri-sikisai-

群落を形成して春の到来を告げるカタクリ。
万葉集には、カタクリを詠んだ大伴家持(おおとものやかもち)の歌が一首みられます。家持が歌を詠んだ奈良時代、カタクリは堅香子(カタカゴ)という名で呼ばれていました。

物部(もののふ)の八十少女(やそをとめ)らが汲(く)みまがふ 寺井の上の堅香子(かたかご)の花

宮仕えをしている少女たちが水を汲んでいる寺の湧き水のほとりにカタクリの花が美しく咲いています。カタクリの姿は、少女たちの髪飾りのようであるとその可憐さを詠んでいます。うつむいて語りかけるように咲くカタクリの優しい風情が伝わってきます。
紅紫の花を濃淡の染色の変化のある和紙で、花の直径を2cmほどの縮小して表しました。

”Dogtooth violet”

~春草・夏草・秋草に寄せて~
「雅な雛のつどい展」
2016年 1月27日(水)~2月2日(火) 
日本橋三越本店 新館8階 ギャラリーアミューズ
http://mitsukoshi.mistore.jp/store/nihombashi/event/index.html

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