初夏、大輪の花と繊細な蔓の対比が優美な鉄線。
清涼感のある紫の花を紫の和紙の染色で表し、和紙で象った蛤にあしらいました。
“Clematis”
楚々とした風情の紅額紫陽花。白い小花の集まりの両性花(りょうせいか)を囲む装飾花が、白色から濃紅色へと次第に花色を深めていきます。可憐な花色とほかほかとした優しい咲き方は、薄暗い梅雨の季節に辺りを明るい空気に包みます。
白から紅色へと移ろう花の風情を濃淡がはっきりと染め分けられた和紙によって表し、素朴な味わいの和紙の花包みにあしらいました。
”Hydrangea”
まっすぐに伸びた葉先の紅色が爽やかな草姿のベニチガヤ。
高さを約14cmに縮小し、繊細な色合いの和紙の取り合わせと楮の繊維の長さ、しなやかさ、光沢感などの特性を生かし、葉の表情を表しました。水辺の涼感をイメージして下草にシダをあしらい、草盆栽風に仕立てました。
”Imperata Red”
黒褐色の花色が神秘的な黒百合。うつむき加減に咲く姿が楚々とした佇まいの蛍袋。それぞれに花を引き立てるように葉の風情も野の趣を感じさせてくれます。数種類の和紙の取り合わせによって花の個性を引き出し、抑えた色合いの和紙を重ねて折った花包みにあしらいました。
“Kamchatka lily・Hotarubukuro”