奈良時代に渡来した菊は、平安時代には宮中の恒例行事として邪気を払い、健康と長寿を願う9月9日の重陽の節句に用いられるようになりました。重陽の節句には左右に人を分けて、菊を持ち寄り優劣を競う「菊合わせ」が行われていました。また、持ち寄った菊とその菊を題材にした和歌を詠んで優劣を競う、歌合も開催されました。
江戸時代、徳川幕府によって五節句が式日として制定されたこともあり、元禄の頃になると菊作りの流行が始まり、庶民の間にも新品種の作出や花を持ち寄り鑑賞する「菊合わせ」が盛んに開催されるなど、菊が愛でられるようになりました。そうした流れは、平安時代の雅への憧れ、平安時代の雅が吉祥とされていた時代の志向を映しています。重陽の節句の前夜、菊に赤、白、黄の三色に色分けされた綿を着せ、翌日に露と菊の香が移った綿で体を清めた行事に因み、菊の節句を象徴する赤、白、黄の小菊を花径1cmほどの大きさに縮小し、寄せ植え仕立てに表しました。
” Chrysanthemum Festival ”
https://www.nipponclub.org/activity_exhibition/
「 江戸からの豆おもちゃ展 」
Miniature Edo-style toys from Japan
In cooperation with Japan Foundation, New York
6/28 (Thu)-7/25 (Wed)
Monday-Friday 10:00 am-6:00 pm
Saturday 10:00 am-5:00 pm
Sunday closed