「源氏物語絵巻 第十一帖 花散里」 “Genji Monogatari Emaki no.11 Hanachirusato” 源氏物語シリーズ、和紙画の一作。 源氏は花散里とその姉の麗景殿女御の住む邸を訪れます。邸は橘の香りに包まれています。桐壺帝の女御であった麗景殿女御と源氏は亡父桐壺帝の思い出を語り合い、「橘の香をなつかしみほととぎす 花散る里をたずねてぞとふ」と歌を詠みました。橘の花は花散里の親しみやすく忘れがたい人柄を表しています。
「源氏物語絵巻 第五帖 若紫 」 “Genji Monogatari Emaki no.5 Wakamurasaki” 北山を訪れた源氏は小柴垣のある庵で、雀を逃がして泣いている少女(紫の上)を見かけました。 場面は桜があたり一面咲く中、小柴垣越しに雀を逃がしてしまった場面を画きました。 小柴垣と雀は同柄の友禅和紙を使っています。1枚の紙の中に3種の柄が同系色で組み合わされているものです。素材自体の色や柄の組み合わせがメリハリがあり、面白いものなので活かしてみました。
「源氏物語絵巻 第十帖 賢木」 “Genji Monogatari Emaki no.10 Sakaki” 源氏は六条御休息所が住む、嵯峨野宮を訪れます。 嵯峨野の野宮あたりは小柴垣があちらこちらに見えます。見渡せば黒木の鳥居がいくつかあり、簡素な小柴垣の風情と溶け合い神々しく厳かな気配を感じます。 黒地の秋草文様の友禅和紙を使い、和紙画で嵯峨野の風景を画いてみました。
「源氏物語絵巻第二帖 帚木」 “Genji Monogatari Emaki no.2 Hahakigi” 源氏は頭中将、藤式部、左馬頭らと女性について論議をしています。その中で左馬頭が訪れた邸で殿上人が笛を吹き、和歌のやり取りをしていた様子が語られ、その光景の美しさが印象に残りました。