
優しい印象の河原撫子(かわらなでしこ)。可憐な花色とたおやかな姿を和紙の柔らかな色合いと風合いによって表し、扇子にあしらいました。
” Pink”

鮮やかな花色と草姿が夏を感じさせるヒオウギ。細やかで律動感のある橙色の花と蕾を和紙の色合いとしなやかな風合いによって表し、和紙による草の葉を添え、扇子にあしらいました。
” Blackbery lily”

鮮明な黄色の花色が印象的な夏の夕暮れに咲く待宵草(まつよいぐさ)。
一日花の儚さの中に、野の花の強さを感じます。風情のある大待宵草(おおまつよいぐさ)を柔らかな和紙の風合いによって表し、扇子にあしらいました。
“Evening primrose”

江戸後期、宝永7年(1710年)に江戸の巣鴨染井村の植木屋、伊藤伊兵衛の五代目政武(まさたけ)が『古今和歌集』、『新古今和歌集』などで知られている三十六歌仙に選ばれた歌人の詠んだ和歌の意になぞらえて三十六の品種名とその特徴を図絵を添えて解説した著書、『古歌僊楓』(こかせんふう)に発表したものの一つ。
手向山(たむけやま)楓は、『古今和歌集』に撰集されている菅原道真の一首より引かれています。
このたびは 幣(ぬさ)もとりあえず 手向山(たむけやま) 紅葉の錦 神のまにまに(菅家)
今度の旅は、急なことで幣(ぬさ)を用意する間もありませんでした。手向山(たむけやま)の紅葉を捧げますのでお受け取り下さい。
と詠まれたもので、紅葉を幣(ぬさ)として奉るという着想にこの歌の面白味があります。
幣(ぬさ)とは、神前に供える幣帛(へいはく)をいいます。紙・麻・木綿など細かく切ったものを幣帛(へいはく)としました。
手向山(たむけやま)楓の特徴は、枝垂れた枝に他の楓に比べて細長く、深い切れ込みが入るところに特徴があります。道真の楓を幣に喩えた着想が、葉の形状や枝垂れた樹形から想起されます。
新芽は紅色をしており夏には緑、秋に再び紅色に紅葉します。紅色の繊細な葉が優美な手向山(たむけやま)楓を和紙の繊細な色合いと柔らかな質感で表し、扇子にあしらいました。
”Tamukeyama”