月別アーカイブ: 2016年11月

太郎冠者椿

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青みのある桃色の花色が優美な太郎冠者(たろうかじゃ)椿。関西では、有楽(うらく)と呼ばれる侘助品種群を代表する古典椿です。雄しべの先の、花粉が入った葯(やく)と呼ばれる袋が退化した繊細な雄蕊(ゆうずい)は、花の表情を優しく可憐に引き立てます。
花が開いても慎ましい印象の太郎冠者椿を柔らかなグラデーションの和紙の色合いと風合いによって表し、竹の花器にあしらいました。

Camellia wabisuke ”Tarokaja”

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絞妙蓮寺椿

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朱紅色の一重の妙蓮寺(みょれんじ)椿に白斑の入る絞妙蓮寺椿。妙蓮寺椿につきましては、以下の記事を参照ください。( 2016/11/27 https://washicraft.com/archives/11856 )
絞妙蓮寺椿は、尾張椿の古典名花である紅妙蓮寺椿の枝変わりのものです。

花底が丸みのある椀咲きの柔らかさと朱紅色に入る白斑が映えて優美な印象です。また雄蕊の形が輪になった輪芯の繊細さも穏やかな花容を引き立てます。数種類の和紙の取り合わせによって花の風情を表し、扇子にあしらいました。

”Camellia Japonica Shibori Myorenji”

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妙蓮寺椿

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朱紅色の一重の妙蓮寺(みょれんじ)椿。白斑の入る絞妙蓮寺椿と区別をして紅妙蓮寺と呼ばれています。妙蓮寺というと本種を指します。
紅妙蓮寺椿は、尾張、三河、伊勢、美濃の椿を総称し中部椿と呼ばれる椿の古典名花のひとつです。

花文化が栄えた江戸時代、日本各地に椿の文化が花開きました。尾張徳川家の治めていた地では町衆による椿の文化が繁栄しました。紅妙蓮寺は、尾張椿を代表するひとつとして愛でられてきました。

一重の素朴な椀咲きのふんわりとした穏やかさと朱紅色の花色の温かさを感じる椿です。柔らかな風合いと明るく鮮明な紅色の和紙で表し、竹の花器にあしらいました。

”Camellia Japonica Myorenji”

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加賀侘助椿

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柔らかな花色の花びらと外弁の上部に紅のぼかしが入る一重の加賀侘助(かがわびすけ)椿。一重の椿の多くは、交配育種ではなく自然の野山で見出されて命名された自然変異による野生の椿です。加賀侘助椿は、金沢市内の樹齢130年~150年ほどの古木から発見された品種です。

一重の小振りな筒咲きの花容は、薄桃色~桃色の花色を清楚に引き立てます。花びらの縁に向かって淡くなる柔らかなグラデーションの変化があり、繊細な花びらを引き立てる外弁の紅色との対比が優美で余韻を感じます。花の風情を薄口の和紙を取り合わせ、陶器にあしらいました。

”Camellia Japonica Kaga Wabisuke”

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