7月7日は七夕。願い事を書く紙が貴重であった古では、文字を書くことができる梶の木の葉が使われていました。七夕の夜、梶の葉に詩歌などを書いて供え、願い事をする習わしがありました。
七夕を歌題として梶の葉に託して詠んだ和歌から、梶の葉と七夕の願い事が結びついていたことがわかります。その一例として『後拾遺和歌集』にある、上総乳母(かずさのうば)の一首が知られています。
天の川とわたる舟のかぢの葉に 思ふことをも書きつくるかな
梶の木は、和紙の原料でもありました。梶は楮の原種で、楮より繊維が長いところに特徴があり、丈夫な和紙になります。また、梶の木は神聖な樹木として神事に用いられてきました。
和紙による梶の葉を天の川に見立てた緑を基調とした装飾のある継ぎ紙にあしらい、七夕をイメージしました。
“Tanabata”