「源氏物語絵巻 第四十七帖 総角(あげまき)」

genji47-s

“Genji Monogatari Emaki no.47 Agemaki”
匂宮は宇治の中の君に逢いに紅葉狩に宇治を訪れます。
船を浮かべ、宇治川を上り下りして紅葉を楽しみます。
管弦の音色が姫たちのいる山荘にも聞こえてきます。
管弦の聞こえる船の屋根飾りには紅葉の枝が厚く葺かれて見事な光景です。
夕暮れ時に宴は佳境を迎えます。
皆が楽しむ中、匂宮の心は中の君のことが気掛かりで上の空です。
(12×13.5cm)

第46帖の椎本で八の宮が亡くなり、大君と中の君が遺されました。
第46帖に続き、薫は大君に再び胸中を伝えます。
大君は父の遺言に従い、宇治で生涯を送る決意が固く受け入れません。
薫は大君に以前(第46帖)から妹の中の君に匂宮との縁談を熱心に勧めていました。
匂宮も中の君に感心を寄せていました。
しかし、大君は中の君には薫との結婚を望んでいます。
大君の願いは叶わず、中の君は匂宮と結ばれます。
父の帝から重んじられている匂宮は自由な行動は許されません。
宇治に紅葉狩の折、匂宮は僅かな人と行く予定でした。
思いとは裏腹に大勢の供が従ったために中の君を訪ねられません。
匂宮の一行が立ち寄る段取りで準備を整えていたのに立ち寄らずに帰京したことに、大君は自分の危惧していたとおりとなり嘆きは深刻なものでした。
大君の匂宮への不信は薫に対しても向けられ、心労のあまり病の床につきます。
薫は宇治に留まり続け看病をします。
献身的な薫に大君は心を開くものの回復することなく亡くなっていまします。

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「源氏物語絵巻 第四十七帖 総角(あげまき)」」への4件のフィードバック

  1. eno

    秋の訪れですね。
    微妙な色彩が美しいですね。
    秋の京都に行きたくなりました。

  2. hirono

    わー、きれいですね。
    微妙な色合いがとても美しくって
    思わず見とれてしまうすばらしい作品ですね。
    すごく好きです。

  3. ymatsu

    enoさん
    ありがとうございます。
    私も紅葉の季節には京都に行きたくなります。
    京都の紅葉は何度行ってもいいですね。
    物語の舞台である宇治の風景を思いながら描いてみました。
    黄昏時という時間帯もよかったようです。
    紅葉と桜は幾度描いても尽きない魅力がありますね。

  4. ymatsu

    hironoさん
    ありがとうございます。
    紅葉の葉が川面に浮かび漂う様を描きました。
    和紙の自然なグラデーションの効いた色合いが微妙な色調を出してくれたようです。
    紅葉の葉を重ねただけのシンプルなものですが、紅葉の葉の魅力に改めて気づかされました。
    作品、気に入っていただけてうれしく思います。

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