春雨のふりそめしより 青柳の糸の緑ぞ色まさりける(新古今和歌集:凡河内躬恒 )
Harusame no furisomeshi yori aoyagi no ito no midori zo iro masari keru (Shinkokinwajashū:Ohshikouchi no Mitsune)
枯野に新緑が再生する恵みの春の雨。春の色の深まりを伝えていくものとして柳の新緑は春風とともに春雨と取り合わせても詠まれてきました。
夏の五月雨、冬の時雨とそれぞれの季節感を伝える雨の風情。
春の雨によって柳の新緑の瑞々しさが引き立たってみえます。
浅緑から緑が深まっていく季節感を和歌を書いた扇面の背景に緑のグラデーションの和紙を使い表しました。