秋深み

akifukami-

秋ふかみ身にしむ風の夜半をへて 月もうれふる色ぞ添ひゆく(永福門院)
Aki fukami mi ni shimu kaze no yoha wo hete tsuki mo urefuru iro zo sohi yuku (Eifukumonin)

鎌倉時代、永仁五年(1297年)に行なわれた十五夜歌合の一首。永福門院は、伏見天皇の中宮となり、伏見天皇の譲位によって伏見院となられたのに伴い、門院となられました。伏見院と共に京極派を代表する女流歌人として歌壇で活躍されました。自然を深く凝視し、女性らしい感性で視覚・聴覚で捉えたものを詞に表現されました。門院の御歌の特徴は、自然事象を光・色彩・時間・距離感・動きによって感覚的に表現されたところにあります。
風によって悲哀の情をかき立てる秋。月の色も秋風によって伝えられた秋の心を受け、憂いを帯びた色に添えられていくのを感じ取った心を”色”という詞に込めた御歌を書で表しました。

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