古来より吉祥植物として親しまれ、文様に表されてきた菊。
日本の秋を彩る気品ある菊は文様の素材として用いられてきました。格調高いもの、雅なもの、可憐なもの、華やかなものなど表現は幅広くあり、友禅紙にも多彩に展開されています。
左上の画像は、ぽち袋を金加工された友禅紙で折ったものです。左は華やかな友禅紙、右は緞子(どんす)柄の菊と花菱を取り合わせた雅な友禅紙を使いました。心づけやお祝い、お香を包むなど用途に応じて色柄を選ぶ愉しさがあります。
中央の画像は、菊立涌(きくたてわく)文様の友禅紙を生かしてクリスマスリースに見立てたものです。立涌は、蒸気が立ち昇り、雲が湧き上がる様を吉祥として捉えていたところを2つの曲線で表現した伝統文様です。
右下の画像は、花かごを可憐で落ち着いた小菊の友禅紙で折ったものと緞子(どんす)柄の友禅紙で折ったものです。小菊の友禅紙で折ったものには、厚くしっかりとした質感の和紙をかごの内側に敷き、和紙による野紺菊をあしらいました。花やお菓子など、かごに入れるものによって大きさを変えたり、色合いや図柄を選んでみるとよいと思います。
”Chrysanthemum”