2017年の「和紙のつどい・雛展」では雛の作品をはじめとして、季節の節目を祝う五節句をめぐる植物をテーマに展開いたします。
季節の節目を祝うを五節句では、上巳の節句の華やぎ、端午の節句の凛々しさなど、それぞれの節句の季節を象徴してきた植物に心を託し、願いを込めてきました。季節の移ろいを伝える植物は、暮らしに彩りと潤いを与えてくれます。
雛を飾り始める季節に ~五節句をめぐる花遊び~ と題し、リアルな大きさからミニチュアまで和紙素材の持ち味を生かし、小さな空間で季節を愉しめる作品を御覧に入れたいと思っております。
画像の作品は、1月7日の人日の節句に向けたしつらいとして、新春の寿ぎを卜伴(ぼくはん)椿と花包みに込めたものです。
日本の在来植物として松や竹とともに不老長寿や永続性など瑞祥を象徴するものとして尊ばれてきた椿。花文化が栄えた江戸時代、新発見や品種改良によって多彩な咲き方、花色の椿が現れました。そのひとつに江戸初期には存在し、今に伝わる春咲きの卜伴(ぼくはん)椿があります。関西では、月光(がっこう)椿と呼ばれています。
濃紅色の花色と小さな花びらのように変化した雄蕊(ゆうずい)の対比が鮮やかな唐子咲きの卜伴椿を花径4.5㎝ほどに縮小して表しました。椿を飾った花包みは、吉祥の図柄の友禅和紙を組み合わせ、立体的に折り上げました。
Camellia Japonica ”Bokuhan”
2017年2月2日(木)~2月8日(水)
東急本店6階 家具売場 特設スペース
協力:お茶の水 おりがみ会館