和紙人形:washi doll」カテゴリーアーカイブ

神田祭より 「武蔵野」

kandasai-16-2(人物制作:岩井昌子 山車・小道具制作:松山祐子)

江戸時代の神田明神の祭礼行列の山車より、「武蔵野」を題材としたものです。人物の制作は、和紙人形作家(駒子の紙人形)岩井昌子氏によるものです。

神田明神の祭礼では、氏子の各町々より趣向を凝らした山車が出されました。祭礼行列を描いた錦絵には、”薄に月”の造り花による山車が複数の町で出されていたのをみかけます。”薄に月”というと「武蔵野」を象徴するイメージとして、古来より親しまれてきました。

武蔵野は 月の入るべき 山もなし 草よりいでて 草にこそ入れ

の歌に代表されるように、「武蔵野」はどこまでも広がる原野の風景に浮かぶ月の名所として、和歌や物語などの文芸、絵画・工芸などの題材として受け継がれてきました。
大型の人形が飾られた華やかな山車が数多く出されるなかで、”薄に月”の侘びた風情は、江戸の地の歴史を感じます。江戸の町はたびたび大火に見舞われました。困難な状況でも祭りの山車を欠かさず、町の再興・繁栄を幕府が開かれる以前の「武蔵野」の風景に込めたとされています。江戸の町を象徴する題材として「武蔵野」のイメージは、江戸の町の人々に受け継がれ、粋な江戸の人々の想いが託されてきたことが窺えます。

画像作品は、山車のテーマを和紙の繊維のきめ細やかさ生かした薄と和紙の抑えた光沢感のある銀の月を取り合わせ、色和紙を生かした傘にあしらいました。
傘を支える柄、山車の車輪を支える軸は木を使っています。紙を幾重にも重ねて表現した牛によって山車のバランスをとり、山車の重さを支えています。人物、牛、祭り囃子の楽器、薄と月の造り花、傘の装飾、山車が一体となって調和するよう、それぞれの細密な表現を実現するための素材や色の選択から始まり、それぞれの和紙の特性を生かして表現しています。

「日本のまつり」
2016年9月2日(金)~10月22日(土)
午前10:00 ~ 午後5:30 ( 日曜・祝日 休館)
お茶の水・おりがみ会館 中2Fギャラリー 
https://www.origamikaikan.co.jp/

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「日本のまつり」

kandasai-16-1

(人物制作:岩井昌子 山車・小道具制作:松山祐子)

「日本のまつり」
2016年9月2日(金)~10月22日(土)
午前10:00 ~ 午後5:30 ( 日曜・祝日 休館)
お茶の水・おりがみ会館 中2Fギャラリー
 (https://www.origamikaikan.co.jp/

9月2日より、お茶の水 おりがみ会館にて「 日本のまつり」展が始まります。
今回の展示では、和紙人形作家(駒子の紙人形:おりがみ会館講師 )岩井昌子氏と神田祭を題材に共同制作した3台の山車を展示いたします。
人物の制作は、和紙人形作家(駒子の紙人形)岩井昌子氏が担当し、山車とそれを曳く牛、人物の持つ小道具などを私(松山)が担当しました。
制作にあたっては、江戸末期に描かれた「神田明神祭礼絵巻」(住吉内記広定画)をはじめ、神田祭の祭礼行列を題材とした錦絵より取材しました。山車の高さに合わせて人形の寸法を割り出し、山車や人物の半纏など和紙の色合いを活かしております。

神田祭は江戸を代表する祭礼で、日枝神社の山王祭とともに「天下祭り」と称して江戸城内への祭礼行列の巡行も許可され、将軍上覧された盛大なものでした。
画像の作品は、神田祭より山車の一番、日本橋大伝馬町の諌鼓鶏(かんこどり)です。山車の高さ(鶏の尾羽を含め)は50cm弱、人形の高さは10cm程の大きさで制作しております。
鶏の止まっている太鼓を諌鼓(かんこ)といいます。世の中が平安であれば治世を諫めるために鳴らされる諌鼓が鳴ることがなく、鶏も安らかに止まっていられるという、中国の伝説に由来し天下泰平を表しています。

「日本のまつり」展では、館内に和紙人形作家が集い、日本各地に伝わる祭りを題材として制作された作品が多数展示されております。群像ならではの勢いのある作品、作家の個性あふれる多彩な表現を会場にてご高覧いただけましたら幸いです。

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花うさぎ-桜草-

hanausagi-sakurasou-

花の妖精をうさぎで表したシリーズの一作。
優しい春の野の花、桜草。日本桜草と呼ばれ、かつては肥沃な河原や湿地で自生する姿をみることができた山野草です。桜草の花色をイメージするグラデーションの和紙の柔らかさで花の風情を表しました。

“Flower Rabbit”(Primrose)

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花うさぎ ―桔梗― 

hanausagi-kikyo

花の妖精をうさぎの形で表したシリーズの一作。桔梗の花が咲き始める夏。
秋の七草のひとつである桔梗の花を小さく作り、あしらいました。衣裳には、白い光沢感のある揉み紙を選び凛とした桔梗の風情を表しました。光を透す和紙の性質を生かし、背景に奥行きを出しました。

”Flower rabbit ”(Balloon flower)

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花うさぎ ―蓮華草―

renge-hanausagi

花の妖精をうさぎの形で表したシリーズの一作。
可憐な花色で春を告げるレンゲソウ。春の陽光のなかで一面に広がって咲くレンゲソウは、長閑な田園風景を思い起こしてくれます。
濃淡のある和紙の色合いでレンゲソウの花をイメージしました。

“Flower Rabbit”(Chinese milk vetch)

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雅な雛のつどい展

s-三越雛_カラー

『雅な雛のつどい展』

古田文 (創作人形)
彩人形 岩井昌子 酒井佳子 松林善子 松山祐子 (和紙人形)

2015年 1月28日(水)~2月3日(火) 午前10時~午後7時
日本橋三越本店 新館8階 ギャラリーアミューズ
おりがみ講習:会場にて随時受付
協力:お茶の水・おりがみ会館 http://www.origamikaikan.co.jp/

作家の個性溢れる創作人形、和紙人形によるお雛さまの数々を会場にてご高覧いただけましたら幸いです。

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お月見

tukimi-14-

今年の中秋の名月は9月8日。
縮小して作った薄と月を待つ想いをうさぎの形で表わした人形とを取り合わせ飾りました。
人形の衣装には、紙の表面にしぼ(皺)のある白い和紙を使い人形の表情を出したいと思いました。
背景は2枚の質感の異なる白い和紙を組み合わせ、画面に奥行きと陰影を出しました。
薄と合わせた鉢は、2.5cm角ほどの大きさです。
“View the moon”

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アオバズク

aobazuku-14-s

板締和紙と典具帖紙を使い表しました。
典具帖紙は和紙の中で最も薄いのですが繊維はしっかりとしており、重ねて貼り合わせることで継ぎ目は自然になじみます。
(高さ:5.5cm)

“Brown Hawk-Owl”

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