晩秋、高原に楚々とした花を咲かせるリンドウ。紫の花色が印象的です。
繊細な花と細長い葉を異なる質感の和紙を取り合わせ、花の風情を表しました。
”Gentian”
秋の野に咲く草花は、初秋から仲秋には可憐で多彩な色と風の揺らぎを感じる繊細さがあります。晩秋には閑寂さを感じるのものへと花の趣は移り変わります。冬を前にした晩秋を鮮やかに彩るのは、緑から紅葉や黄葉へと移ろう木々の葉です。また、紅葉と時季を同じくして華やぎを伝える多種多様な菊は、紅葉に映えて響き合います。
画像は、四季の和紙の花を短冊の画面に立体的に表した花寄せのシリーズより、秋の彩を伝える桔梗・白萩・菊・撫子・紅葉の5種を選び、和紙の色合い、質感によって表したものです。
“Autumn plants”
秋の野の豊かさを伝えるカラスウリ。和紙によるカラスウリの色付いた実と黄葉へと葉色の移ろいゆく様の対比によって、深まりゆく秋の気配を表しました。
“Japanese snake gourd ”
江戸時代、泰平の時代が続き、園芸への関心が高まり栄えた花文化。江戸の花文化では、秋を象徴する菊への関心が高まり、品種改良や品評会が盛んに行われました。
そのひとつに肥後藩主が栽培を奨励したとされる、肥後菊があります。気品ある細い花びらのつき方によってくっきりと花容が浮かび上がり、独特の味わいがあります。凛とした細長い花びらを檀紙によって表し、短冊にあしらいました。
“Chrysanthemum”
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