月別アーカイブ: 2018年1月

紅梅に寄せて 

1月23日から開催されます「Decorative Greetings exhibition 」のご挨拶をハガキでというテーマに沿い、手紙を題材としてハガキサイズで展開した作品です。

四季折々の風景の微妙な変化を繊細な感性で愛でてきた日本では、気持ちを伝える手紙にもその心が反映されてきました。ハガキでの時候の挨拶、季節の草花が描かれたハガキを選ぶなど、気持ちを伝えるハガキの中にも四季折々の季節感が込められてきました。

そうした日本の伝統を辿り、自分の想いを相手に伝えるため、平安時代の貴族の間では文字を書き記す手紙に使う素材を吟味し、季節の植物を添えたりするなどさまざまに創意工夫を凝らしたことに着目しました。平安時代の雅な手紙のやり取りについて『源氏物語』のなかで紫式部は、文付枝(ふみつきえだ)の贈答によって人の心を動かしたことを物語に綴っています。

画像の作品は、『源氏物語』第43帖「紅梅」より、柏木の弟、按察(あぜち)大納言が庭にある紅梅を一枝折らせ、「心ありて風の匂はす園の梅にまづ鶯のとはずやあるべき」と匂宮に訪れて欲しいものと紅梅に歌を添え、匂宮の元へ贈った場面を題材に文付枝と和歌を書で表した作品です。

文を受け取った匂宮が、白梅に劣らぬ香を持つと賞賛した紅梅を枝に結んだ手紙の配色で表現しました。平安時代の装束の襲(かさね)より、梅襲(うめかさね)の取り合わせのひとつ、表白・裏紅の白梅をイメージした白梅襲の配色です。紅梅に白梅の香りを想わせるという趣向のものです。 また、和歌を書いた文は紅梅に合わせ、落ち着いた紅色に継ぎ紙風の装飾を施しました。

「Decorative Greetings exhibition 」
飾って素敵、 贈って楽しいご挨拶 ポストカード展示販売展

1月23日(火)~2月4日(日) 
12:00~19:00(最終日17:00)29日休廊

ギャラリーダズル( 東京 北青山 )http://gallery-dazzle.com/

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柳に流水

春に青々とした葉を広げ、初夏に向かい涼やかな姿で目を楽しませてくれます。和歌や物語の題材として、柳と流水の景に寄せて心が託されてきました。流水に水車の文様の友禅和紙を背景に柳を切り出し、水の流れの上にしなやかに葉を伸ばして揺れる柳の風情を表しました。

~花物語~ ”柳”

「 雛の季節を待ちながら・・・ 」
2018年 1月31日 (水) ~2月6日(火) 
日本橋三越本店 新館8階 ギャラリーアミューズ

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花雛

三月三日、上巳の節句に向けた色紙飾り。災厄を祓い、身の穢れ(けがれ)を移すための人の身代わりとした形代(かたしろ)として草花を雛に見立てたものが花雛です。繁栄と健やかな成長を託す桃、再生を伝える菜の花。和紙による桃と菜の花に和紙の衣装を着せた紙雛(かみひいな)によって表しました。

”Hina dolls”

~花物語~ ”花雛”

「 雛の季節を待ちながら・・・ 」
2018年 1月31日 (水) ~2月6日(火) 
日本橋三越本店 新館8階 ギャラリーアミューズ

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和紙クラフト「八重桜」一日講座のお知らせ

和紙クラフト「八重桜」
2月12日 (月) 祝日 10:00~12:00
小津和紙 ( 東京日本橋 http://www.ozuwashi.net/ )

春を華やかに彩る桜。今回は、柔らかで可憐な印象の八重桜を作ります。優しい色合いの和紙の柔らかさを生かし、花びら一枚一枚の重なりと表情を出しながら、ふんわりと穏やかに咲く八重桜の風情を表しまします。

作品は、素朴な味わいの和紙の花包みにあしらい、そのまま置いて飾ってもいいただける形に一回の講座で仕上げます。

講座のお申し込み・お問い合わせは、小津和紙 文化教室の下記のリンク先
(一日講座のページhttp://www.ozuwashi.net/lectureship_trial.html)までお願い申し上げます。

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