雛飾りを楽しく引き立てる雛道具。女雛の雛の調度品として、箪笥(たんす)や鏡台など人形の大きさに合わせて作られてきました。『源氏物語』第7帖「紅葉賀」には、紫の上が幼いころ、人形遊びのための小さな調度がしつらえられていたことが書かれています。
江戸時代、武家や公家をはじめとして町家の雛飾りのなかに内裏雛の雛調度が揃えられるようになりました。精巧で華麗な雛調度には、平安時代の雅への憧れ、そして平安時代の雅が吉祥のものであるという近世の志向が現れています。
画像は、茶道具と投扇興(とうせんきょう)の道具を和紙の特質を生かしてミニチュアサイズで表したものです。投扇興は、いちょうの形の的を立て扇を投げて遊ぶ遊戯です。
“Doll furniture ”