桃と菜の花を雛に見立てた色紙飾りの一作。
古来より災厄を祓い、身のけがれを移すための人の身代わりとした形代(かたしろ)のひとつに草を人に象った草雛がありました。
簡素な草雛から発展し、桃や菜の花などの季節の花を形代としたものが花雛です。
女の子の成長と幸せを願う心と桃の節句とも呼ばれる上巳(じょうし)の節句本来の祓(はらえ)を込めた形代として桃と菜の花を雛に見立てました。
桃は、上巳の節句ではけがれを祓う形代とされ、繁栄や健やかな成長を願う象徴として雛祭りに飾られてきました。季を同じくする菜の花は、生命感、春の息吹、再生を伝えるものとして桃と合わせて雛祭りには飾られてきました。
桃と菜の花に着せた衣装の裾模様には「向い鶴に亀甲」を選びました。鶴亀の取り合わせの文様に想いを託しました。
2015年の1月末の「雅な雛のつどい展」(日本橋三越)では画像の花雛をはじめ、菜の花雛や草雛の新作をご覧に入れたいと思っております。
”Flower doll”