「源氏物語絵巻 第三十帖 藤袴 」

genji30-s

“Monogatari Emaki no.30 Fujibakama”
夕霧(源氏と葵の上の子)は実姉と思い慕っていた玉鬘が従姉と知り、藤袴の花を持って玉鬘を訪れます。
藤袴の花を御簾から差し入れて「おなじ野の露に やつるる藤袴 あはれはかけよかごとばかりも」と歌を詠み慕情を伝えました。
源氏の縁(ゆかり)を意味する紫。
夕霧は玉鬘に藤袴の花色に同じ祖母を持つ身であると訴えます。
それに対して玉鬘は「たずぬるに はるけき野辺の露ならば うす紫やかごとならまし」と切り返します。
「かごと」とは口実という意味です。
藤袴の花色はたんなる言い訳なのでは、と夕霧の言い分を断ります。

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