「源氏物語絵巻 第三十帖 藤袴 」

genji30-s

“Monogatari Emaki no.30 Fujibakama”
夕霧(源氏と葵の上の子)は実姉と思い慕っていた玉鬘が従姉と知り、藤袴の花を持って玉鬘を訪れます。
藤袴の花を御簾から差し入れて「おなじ野の露に やつるる藤袴 あはれはかけよかごとばかりも」と歌を詠み慕情を伝えました。
源氏の縁(ゆかり)を意味する紫。
夕霧は玉鬘に藤袴の花色に同じ祖母を持つ身であると訴えます。
それに対して玉鬘は「たずぬるに はるけき野辺の露ならば うす紫やかごとならまし」と切り返します。
「かごと」とは口実という意味です。
藤袴の花色はたんなる言い訳なのでは、と夕霧の言い分を断ります。

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「源氏物語絵巻 第三十帖 藤袴 」」への5件のフィードバック

  1. vasenoir

    こんばんは。
    大きさが分かりませんが。。
    この作品のような立体で見せるという。。
    新しい感じがしますね。
    ステージ(舞台)背景 脇
    お芝居の世界そのまま。
    物語がどんどん広がります。

  2. ymatsu

    vasenoirさん
    夕霧の歌がこの巻を象徴していると思い、夕霧の歌を書いた短冊を中心に、藤袴と友禅和紙で作った几帳を組み合わせて情景を演出してみました。
    夕霧と玉鬘の対面を思い浮かべていただけたら、うれしいです。
    今回は、短冊から作品のサイズを推定していただこうと思いました。
    短冊は歌用で幅は6.2cm、長さは36.3cmほどです。
    短冊を斜めに置いて納めているので、舞台の奥行きは50cmくらいはあるでしょうか?

  3. hirono

    書もすごく素敵ですね。
    細かくて繊細な作品で素晴らしいですね。

  4. のんき

    まさか、この書もymatsuさんが手配されたのですか?とにかく、びっくり驚愕の作品(アイディア)です。

  5. ymatsu

    hironoさん
    今回の作品は歌を作品の中に入れたかったので、短冊に書いてみました。
    作品のタイトルはよく書で書くのですが、作品の中にはなかなか使う機会がなかったので入れてみたのですが、そういっていただき嬉しいです。
    几帳の色が黒地なのもこの場に合ったようです。
    のんきさん
    短冊は長さがあるので、几帳と組み合わせるとなると斜めの配置になりました。斜めになっていて見づらいですが、一応読めるのではないかと。。。変体仮名はなるべく少なくしました。
    使用した短冊は配色が美しく、秋草文様をあしらい、砂子を散らした繊細なもので仮名文字を引き立ててくれます。
    歌用に使われる短冊は趣向に富んだ美しいものがたくさんあります。
    短冊に書いたのは久しぶりなので心配でしたが、そう言っていただきほっとしました。

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