四季彩花(盆栽):arrangement/bonsai」カテゴリーアーカイブ

春の訪れを告げる可憐なスミレ。
万葉時代から親しまれている身近にみられる濃い紫の花色のスミレを1cm角ほどの大きさに表し、陶器の鉢にあしらいました。高さは、鉢を含めて6cmほどです。

“Viola”

~五節句をめぐる花遊び~
「和紙のつどい・雛展」
2017年2月2日(木)~2月8日(水)
東急本店6階 家具売場 特設スペース

にほんブログ村 美術ブログ 工芸へ
にほんブログ村

Facebook にシェア

菜の花

早春、一面に黄色の絨毯を敷き詰めたように咲くナノハナ。
アブラナ属を総称するナノハナのなかで江戸時代に種から油を採取するため、日本各地に栽培が広まったアブラナは、春の風物詩として親しまれてきました。アブラナの伝来した時期には諸説あるようですが、奈良時代までには伝わっており、葉物野菜とされてきました。

アブラナの種から油が採取される技術が現れ、灯明の用途として菜種油が普及したのは江戸時代のことです。それ以前は荏胡麻(えごま)油が灯明の用途として古来より使われていましたが、庶民には手の届かないものでした。アブラナの栽培の拡大と搾油技術の普及によって庶民にも広まりましたが、それでも高価なものであったようで、魚や木の実から採取された油も使われていました。

アブラナを”菜の花”という名称で表現したものには、与謝蕪村(よさぶそん)の「菜の花や 月は東に 日は西に」の句が想い起されます。蕪村は享保元年(1716)~天明3年(1784)の江戸中期に活躍し、後世に影響を与えました。
蕪村が生まれた享保年間は、雛人形の大きさが幕府によって制限されるほど絢爛豪華な雛人形や雛道具を飾ることが流行した時代でもありました。華やかな上巳の節句が祝われた時代、鮮やかなアブラナの咲く風景は、上巳の節句の季節感を印象付けるものとなったと思われます。

アブラナを描いたものは、江戸後期、酒井抱一(さかい ほういつ)や鈴木其一(すずき きいつ)に代表される江戸琳派で描かれた”菜の花”が想い起されます。抱一とその弟子、其一は俳諧に親しみ、絵画の中に俳諧的な表現を取り入れました。季節を象徴するものとして”菜の花”を取り上げた背景には俳諧的な趣向を感じます。抱一や其一の描いた一株の描写は、雲雀(ひばり)が戯れる背景に咲く素朴な愛らしさ、春雨に打たれた姿に込められた優しさ、野辺に漂う長閑さや暖かな空気感など人の心を和やかに包み込むものを持つ花に託し、季節の一瞬を詩情豊かに表現しています。

作品は、蕪村の句や江戸琳派の表現されてきた葉の根元が茎を抱え込み、横から斜め上向きに葉が開いた在来種のアブラナの特徴を和紙の柔らかな風合いで高さを台を含め17cmほどに縮小して表したものです。

“Chinese colza”

~五節句をめぐる花遊び~
「和紙のつどい・雛展」
2017年2月2日(木)~2月8日(水)
東急本店6階 家具売場 特設スペース

にほんブログ村 美術ブログ 工芸へ
にほんブログ村

Facebook にシェア

日本桜草

桜の花びらのような切れ込みのある姿が優美な日本桜草。外来の園芸種と区別してニホンサクラソウと呼ばれています。楚々とした風情は、春の野を想わせます。江戸琳派の絵画の中でも、春の情景には桜草は菫や土筆、蓮華草などと共によく描かれてきました。

縮緬状の柔らかな葉と、軽やかな花が春草らしい日本桜草を花径を1cmほど、高さを台を含めて6cmほどに縮小して表しました。

”Primrose”

~五節句をめぐる花遊び~
「和紙のつどい・雛展」
2017年2月2日(木)~2月8日(水)
東急本店6階 家具売場 特設スペース

にほんブログ村 美術ブログ 工芸へ
にほんブログ村

Facebook にシェア

蓮華草

春の長閑さを伝えるレンゲソウ。繊細な構造の花と躍動感のある小さな葉は、明るくほのぼのとした懐かしさを感じさせてくれます。花径を2cm程に縮小し、数種類の和紙の取り合わせによって春の野辺の情景を表しました。作品の高さは、台を含めて7cmです。

“Chinese milk vetch”

~五節句をめぐる花遊び~
「和紙のつどい・雛展」
2017年2月2日(木)~2月8日(水)
東急本店6階 家具売場 特設スペース

にほんブログ村 美術ブログ 工芸へ
にほんブログ村

Facebook にシェア

鷺草

sagisou-1

夏の山野草。白鷺が空に舞うかのような造形が優美です。
さっぱりとした花姿は、夏の季に涼感を与えてくれます。和紙の柔らかさと繊維を生かし表しました。
花の大きさを2cm角ほど、高さを鉢を含めて10cmほどの大きさに縮小し、幅2.5cmの鉢にあしらいました。

” White Egret Flower”

~春草・夏草・秋草に寄せて~
「雅な雛のつどい展」
2016年 1月27日(水)~2月2日(火) 
日本橋三越本店 新館8階 ギャラリーアミューズ
http://mitsukoshi.mistore.jp/store/nihombashi/event/index.html

にほんブログ村 美術ブログ 工芸へ
にほんブログ村


向日葵

himawari-

太陽に向けて花を咲かせる向日葵。夏の季の花らしい真っ直ぐに立つ力強さと鮮やかな花色で季節を彩ります。
数種類の和紙の性質を使い分け、存在感のある花の勢いを伝えたいと思いました。花の直径を4cmほど、高さを12cmほどに縮小して表しました。

“Sunflower”

~春草・夏草・秋草に寄せて~
「雅な雛のつどい展」
2016年 1月27日(水)~2月2日(火) 
日本橋三越本店 新館8階 ギャラリーアミューズ
http://mitsukoshi.mistore.jp/store/nihombashi/event/index.html

にほんブログ村 美術ブログ 工芸へ
にほんブログ村


福寿草・菫

fkujyusou-sumire

春を告げる山野草2種を鉢にあしらったものです。
画像の左手にあるのは、春の妖精と呼ばれる花のひとつ、福寿草です。地際からふっくらとした芽を出した姿は愛らしく、一際鮮やかな黄色の花が印象的です。花の直径を2cmほどの大きさで表しました。鉢は直径2cmのものを合わせています。
画像の右手にあるのは、古来から春の野の花として親しまれてきたスミレです。花の直径は1cmほどの大きさで表しました。鉢は、1.5cm角のものを合わせています。和紙の繊維と鮮明な染色を生かし、それぞれの花の趣を表しました。

”Far East Amur adonis・violet”

~春草・夏草・秋草に寄せて~
「雅な雛のつどい展」
2016年 1月27日(水)~2月2日(火) 
日本橋三越本店 新館8階 ギャラリーアミューズ
http://mitsukoshi.mistore.jp/store/nihombashi/event/index.html

にほんブログ村 美術ブログ 工芸へ
にほんブログ村


アズマイチゲ・ハルリンドウ

azumaichige-harurindou

春を告げる山野草2種を鉢にあしらったものです。
画像の左手にあるのは、春の妖精と呼ばれる花のひとつ、東一華(アズマイチゲ)です。清楚で繊細な白い花が語りかけてくるようです。花の直径を2cmほどの大きさに縮小して表しました。鉢は1.5cm角のものを合わせました。
画像の右手にあるのは、春に咲く澄んだ青紫が清々しい小さな山野草、春竜胆(ハルリンドウ)です。花の直径は1cmほどで、実物と同じくらいの大きさで表しています。鉢の大きさは直径2cmのものを合わせました。それぞれの花の特性に合った色と強度の和紙を選び表しました。

”Anemone raddeana・Gentiana thunbergii”

~春草・夏草・秋草に寄せて~
「雅な雛のつどい展」
2016年 1月27日(水)~2月2日(火) 
日本橋三越本店 新館8階 ギャラリーアミューズ
http://mitsukoshi.mistore.jp/store/nihombashi/event/index.html

にほんブログ村 美術ブログ 工芸へ
にほんブログ村


朝顔

asagao-shisai-

薄や萩などと共に秋草として描かれてきた朝顔。琳派で描かれてきた群青色の朝顔をイメージしました。蔓を他の植物に絡ませた野趣ある風情を和紙の繊維の強さにより、花の直径を2cmほど、高さを13cmほどに縮小して表しました。

”Japanese morning glory”

~春草・夏草・秋草に寄せて~
「雅な雛のつどい展」
2016年 1月27日(水)~2月2日(火) 
日本橋三越本店 新館8階 ギャラリーアミューズ
http://mitsukoshi.mistore.jp/store/nihombashi/event/index.html

にほんブログ村 美術ブログ 工芸へ
にほんブログ村


日本桜草

sakurasou-sikisai

桜の花弁のような切れ込みが優美な桜草。桜の花の頃、かつて肥沃な河原に多く自生していました。楚々とした風情は春の野を想起させてくれます。江戸時代、多くの園芸種を生み出しました。草丈が低く楚々とした春草らしい風情は、琳派の絵画の中でもよく描かれています。
数種類の厚さと性質の異なる和紙を取り合わせ、花の直径を1cmほど、高さを9cmほどに縮小して表しました。

”Primrose”

~春草・夏草・秋草に寄せて~
「雅な雛のつどい展」
2016年 1月27日(水)~2月2日(火) 
日本橋三越本店 新館8階 ギャラリーアミューズ
http://mitsukoshi.mistore.jp/store/nihombashi/event/index.html

にほんブログ村 美術ブログ 工芸へ
にほんブログ村