“Autumn”
夕されば野辺の秋風身にしみて 鶉(うづら)鳴くなり深草の里 (藤原俊成 千載集)
夕暮れになると野辺を吹き渡る風が身にしみて鶉がしみじみと鳴く深草の里であることよ
次第に日が暮れていく時間の経過と光の移ろい。
鶉の声だけが間をあけて聞こえてくる静寂な草深い里の秋。
そうした和歌に読み込まれた夕暮れの刻々と変わる色、草深い里の秋を短冊の背景にした楮の手漉き和紙の染色で表わしました。
白い厚手の和紙を短冊に切り、天地に秋草文様の能千代紙をあしらい深草の里をイメージしました。