“Autumn”
夕されば野辺の秋風身にしみて 鶉(うづら)鳴くなり深草の里 (藤原俊成 千載集)
夕暮れになると野辺を吹き渡る風が身にしみて鶉がしみじみと鳴く深草の里であることよ
次第に日が暮れていく時間の経過と光の移ろい。
鶉の声だけが間をあけて聞こえてくる静寂な草深い里の秋。
そうした和歌に読み込まれた夕暮れの刻々と変わる色、草深い里の秋を短冊の背景にした楮の手漉き和紙の染色で表わしました。
白い厚手の和紙を短冊に切り、天地に秋草文様の能千代紙をあしらい深草の里をイメージしました。
こんばんは。秋の深まり、そして夕暮れ時の
色や質感が、変化をしながら深まっていく様
を、和歌に託された言葉と、その背景の、
麗しい秋色で表現された、趣きのある美しい
作品ですね!
背景の色のグラデーションの具合や、流れ
とも動きともとれる色合いは、空のようでも、
また、紅や黄に染まった木々の木の葉の
ようでもあって、豊かですね。
shionさん
ありがとうございます。
和紙の染色の色合いの変化に惹かれました。
染色に秋の夕暮れを感じ、その情景のイメー
ジと合った和歌とコラボレーションさせ、
山里の秋を表わしてみました。
そうしたところを感じていただき、うれしく
思います。
楮の繊維の柔らかな風合いも風雅な趣を出して
くれるように思います。
落ち葉のクラフトなどの作品にもこうした染色
の手漉き和紙を使っています。