“Genji Monogatari Emaki no.52 Kagero”
ありと見て手には取られず見ればまた 行方も知らず消えし蜻蛉
浮舟が宇治の邸から突然行方知れずとなり邸内は騒然となりました。
浮舟が母に書き残した「鐘の音の絶ゆるひびきにねをそえて わが世つきぬと君に伝えよ」と詠んだ歌から入水したものと思われました。
浮舟の侍女と侍従は浮舟の母を説得し、浮舟の亡骸のないまま浮舟の葬送が営まれました。
薫は、母女三宮の病気祈祷のために石山寺に籠もっており、葬送がすんでから知らせを受けました。
石山寺から帰京した薫は宇治に行き、浮舟の侍女から一部始終を聞き身の不運を嘆きます。
また、自分の至らなかったところも思い四十九日の法要を手配します。
秋の深まる頃、薫は夕暮れに蜻蛉がはかなげに飛び交う様に重ね合わせ、儚く世を去った宇治の大君、浮舟のことが回想されるのでした。
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「第五十一帖 浮舟」で浮舟のところに来た薫と匂宮の使いが鉢合わせをしてしまい、そのことで浮舟は板挟みになり入水を決意します。
第五十二帖では浮舟が行方知れずのまま物語が進んでいきます。
行方知れずの浮舟につきましては次の巻に展開されていきます。
「第四十五帖 橋姫」に始まる宇治を舞台にした物語で薫をめぐる桐壺帝八の宮の3人の姫君、大君・中君・浮舟を蜻蛉に重ね合わせて表わしました。
第五十一帖の投稿は2009年5月のことで間隔が空いております。
第五十一帖につきましてはこちらの記事を参照いただきましたら幸いです。