
自然のあるがままの姿を愛でてきた日本の自然観を映す多彩な椿。野生に自生している藪椿(やぶつばき)より選抜され紅司(べにつかさ)。深みのある紅色の花びらは、一重の筒咲きの簡素な佇まいを引き立てます。和紙の落ち着いた紅色と手漉き和紙の柔らかさを生かし、花の風情を表しました。
Camellia Japonica ”Benitsukasa”

自然のあるがままの姿を愛でてきた日本の自然観を映す多彩な椿。野生に自生している藪椿(やぶつばき)より選抜され紅司(べにつかさ)。深みのある紅色の花びらは、一重の筒咲きの簡素な佇まいを引き立てます。和紙の落ち着いた紅色と手漉き和紙の柔らかさを生かし、花の風情を表しました。
Camellia Japonica ”Benitsukasa”

紅色の花のなかにさらに花を重ねたかのような二段咲きの艶やかな椿。源氏車(げんじぐるま)をイメージさせる立体感のある雄蕊(ゆうずい)と紅色の花の取り合わせはたおやかで、雅なものを感じます。数種類の和紙の取り合わせによって花の風情を表し、和紙で象った蛤にあしらいました。
Camellia Japonica ”Genjiguruma”

秋の月に雄蕊の美しさを見立てた名を持つ椿。薄桃色の一重の花色は、平らに開いた形の花を柔らかに引き立てます。大きく整った雄蕊を抱えるように咲く姿は、穏やかで心和みます。
黄色のグラデーションの和紙を生かして花の風情を表し、陶器の花器にあしらいました。
Camellia Japonica ”Aki no tsuki”

一重の白花の名花として親しまれてきた加茂本阿弥(かもほんなみ)椿。白色の椿の中でも蕾が大きく、丸いところから窓の月という別名でも親しまれています。整った雄蕊(ゆうずい)がふっくらとした肉厚の花を優美に引き立てます。純白の清雅で重厚な印象の椿を手漉き和紙の白色で表しました。
Camellia Japonica ”Kamo Honnami”

紅色の地に白斑が入る華やかな太神楽(だいかぐら)椿。
波打つように展開した花びらの間に小さな雄蕊(ゆうずい)が分散して見え隠れした咲き方は、艶やかで立体感があります。椿の雄蕊が花びらに変化しやすい性質が現れた椿です。太神楽という名からイメージされるように、躍動感を感じる花です。
大小ある花びらが盛り上がり、雄蕊が花びらの間から覗いて見える姿を数種類の和紙の取り合わせによって表しました。
Camellia Japonica ” Daikagura ”

白地に縦絞りが僅かに入る一重の椿。葉脈のはっきりとした葉に筒咲きの慎ましくすっきりとした花容が映え、”秋一番”という名からイメージされるように清々しい印象です。
縦絞りの入り加減の違い、白花・紅花が現れるなど個体差のある椿です。白地に縦絞りが入る基本形のものを手漉き和紙の白色と紅色の和紙を取り合わせて表し、扇子にあしらいました。
Camellia Japonica ”Aki Ichiban”

淡桃色の一重の椿。花色の穏やかさと花の底が広くゆったりとした椀咲きの豊かな印象は花の名の表すとおり、『枕草子』の”春はあけぼの”を想起させます。11月頃~4月頃まで咲きますが、寒さの厳しい時季に咲く花は、春の前触れを感じさせてくれます。一枚の花びらを数種類の和紙を取り合わせて表し、短冊にあしらいました。
Camellia Japonica ”Akebono”

白色の一重の侘助(わびすけ)椿。華やかな大輪の椿と対極にある極小輪の引き締まった慎ましい猪口〈ちょく)咲きの花は、端正で清雅な印象です。晩秋から春先まで冬中花を絶やさず、目を愉しませてくれます。白い花びらをしぼ(皺)の加工がされた和紙の質感と厚みを生かして表し、簡素な竹の花器にあしらいました。
Camellia wabisuke ”Shiro Wabisuke”

淡桃色に紅のぼかしが柔らかに入る穏やかな印象の一重の椿。秋を先取りして咲き始める早咲きの椿です。丸みのあるふっくらとした咲き方とぼかしの入り方が愛らしい花の特徴を薄口の和紙によって表しました。
Camellia Japonica ”Seioubo”