和紙画:washi-ga」カテゴリーアーカイブ

「星逢(ほしあい)」

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“Tanabata”
七夕によせて

金銀の砂子を散らしたような天の川で一年に一度、川を越えて出会う2つの星。
星に願いをかける笹の葉に飾られた飾り物を夜空を背景に表わしました。
華やかな七夕飾りは熨斗文(のしもん)という伝統文様を図柄にした友禅紙を使いました。
熨斗文は祝い事の引出物に添えられた熨斗(のし)を文様化したものです。
華やかで躍動感ある熨斗文は吉祥文様でもあり、今も振袖の図柄としてよくみられます。
束ねられた熨斗文様の流れの向きに変化をつけ、七夕をイメージしました。
(12×13.5cm)

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源氏物語より「蛍」

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“Genji-Monogatari Hotaru”
五月雨の降る夜のことです。
源氏は玉蔓のいる部屋に蛍を放ちます。
玉蔓に想いを寄せている源氏の弟宮(蛍兵部卿)にその光で浮かぶ玉蔓の姿を見せました。
蛍の放つきらめく光に照らされた玉蔓に宮は心惹かれます。
光のきらめきを銀箔を散らし表わしました。
(12×13.5cm)

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源氏物語より「東屋(あずまや)」

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“Genji-Monogatari Azumaya”
源氏物語の第45帖「橋姫」より第54帖「夢浮橋」までは宇治十帖と呼ばれています
源氏の亡き後、宇治を舞台に薫と匂宮の二人の貴公子と女君たちの物語が語られます。
場面は、第50帖より薫と匂宮をめぐるヒロイン浮舟が暮らす京の三条あたりの小さな家の庭の情景を描いています。
荒れた庭は草が生い茂っており、秋の冷たい雨が降り注ぎます。
雨模様の情景は物語の今後を暗示してもいます。
東屋から夢浮橋まで宇治での浮舟をめぐる物語が展開されていきます。
宇治での物語には宇治川の情景がよく出てきます。
宇治川の四季の移ろいも物語を通して思い描いていただけましたら幸いです。

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源氏物語より「葵」

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“Genji Monogatari no.9 Aoi”
賀茂神社で新斎院が御禊(ごけい)をされる日(葵祭)、源氏もその行列に加わるということで都大路は例年にない賑わいでした。
源氏の正妻葵の上も見物に出かけます。
源氏に想いを寄せている六条の御息所(みやすどころ)も忍んで見物していたのですが、車の場所争いが互いの従者のあいだで起こってしまいます。
(12×13.5cm)

今日、葵祭は毎年5月15日に京都の上賀茂神社・下鴨神社で行われています。
源氏物語第9帖『葵』では、車争いの場面を10枚ほどの和紙を使い、和紙画で表しました。
画面の上から御所車、中央に双葉葵、その下に源氏車の文様を配しました。
双葉葵は葵祭を象徴する植物です。
源氏車は御所車をモチーフにした文様です。

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