和紙花暦:Four seasons of flowers」カテゴリーアーカイブ

待宵草

夏の夕暮れに咲く、鮮明な黄色の花色が印象的な待宵草(まつよいぐさ)。
真っ直ぐに伸びる夏草の勢いと一日花の儚さの中に、たおやかでゆったりとしたものを感じさせる咲き方は、野の花の優しさと芯の強さを感じます。夏の野の風情のある大待宵草(おおまつよいぐさ)を和紙の色合いと柔らかな質感によって表し、竹の花器にあしらいました。

“Evening primrose”

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昼顔

風趣を感じる、身近にみられる夏の野の花、昼顔。飾り気のない小さな淡い色合いの花は清涼感があり、夏を彩る花として親しまれてきました。薄口の和紙の繊維の強さを生かし、蔓の動きを出し、ガラスの器にあしらいました。

”Calystegia japonica”

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七夕に寄せて

七夕に寄せて、和紙による河原撫子(かわらなでしこ)、桔梗、節黒仙翁(ふしぐろせんのう)を取り合わせたものです。

室町時代、七夕法楽(たなばたほうらく)と呼ばれる、公家や将軍家などの間で器と花を競う、華やかな花合わせが行われていました。室町期の立花の姿を伝える『仙伝抄(せんでんしょう)』の中で、「七月七日の真に仙翁花(せんのうげ)、ききやう。」とあり、七夕の花の真に立てるのは、仙翁(せんのう)と桔梗であると伝えています。撫子(なでしこ)は、平安時代の七夕には花の優劣を競い、七夕伝説に寄せて歌合(うたわせ)をする、「瞿麦合」(なでしこあわせ)が催され、可憐な草姿が愛でられました。

雅な七夕行事に所縁のある花を和紙の繊維の強さとしなやかさ、染色によって表し、竹の籠花入にあしらいました。

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節黒仙翁

夏の山野草、フシグロセンノウ。名の示すとおり、茎の節のあたりが黒紫色になるところに特徴があるナデシコ科の植物です。平らに開いた朱の花色は、夏草らしい鮮やかさと清々しさがあります。朱色の和紙の柔らかな風合いによってすっきりとした花の表情を表し、陶器の一輪挿しにあしらいました。

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