夏の夕暮れの野趣ある花、オオマツヨイグサ。鮮明な黄色が印象的です。儚げな花の風情を柔らかな質感の和紙で表しました。
“Evening primrose”
秋の七草の筆頭、萩。木でありながら草のような柔らかな枝ぶりから秋草に数えられてきました。繊細な花と動きのある葉を和紙の風合いによって表し、短冊にあしらいました。
“Bush clover”
風に揺れ動く姿が爽やかな高原の花、マツムシソウ。小花が多数集まって咲いたものが一つにまとまった形状は、薄紫の花色を清楚に引き立て、秋の気配を伝えます。薄紫の小花を繊細な和紙の染色と柔らかな質感で表し、短冊にあしらいました。
”Scabiosa japonica”
秋の七草のなかでも控えめな淡い紅紫色の花と楚々とした風情で季節を伝えるフジバカマ。
穏やかで優美な佇まいは、秋の野辺を想わせてくれます。和紙の柔らさと繊維の強さによって表しました。
“Thoroughwort”
ノリノキとはノリウツギの別名です。ノリウツギの名は、和紙を漉くために原料のつなぎとしての糊(ネリとよばれる粘液)を樹皮からとったところに由来します。白い花穂(かすい)がレースのように円錐状に広がるノリウツギ。俯瞰によって繊細な花穂の特徴を表しました。
”Hydrangea paniculata”
夕暮れに咲く白い花が翌朝、しぼむ頃には紅色に変化する月見草。江戸時代末に日本に渡来したとされています。夏の一日花特有の儚さが漂う、透明感のある花弁を和紙の微かな染色と柔らかな風合いで表し、短冊にあしらいました。
”Oenothera tetraptera”
たおやかで優美な花を咲かせるクレマチス。細く硬質な蔓を持つクレマチスのなかでも、鉄線の名で親しまれている六弁の紫のものを光沢感のある和紙で表しました。蔓の動きを出し、立体感のある植物画にアレンジしました。
”Clematis”
うつむき加減に咲く姿が可憐な蛍袋。透明感のある釣鐘形の花の形状を手漉き和紙の白色と柔らかさで表しました。野趣を醸し出す花の内側にある斑点は描き入れ、短冊にあしらいました。
“Hotarubukuro”