すらりとした草姿のワレモコウ。紅色の花が風に吹かれ揺れるさまが秋の情趣を醸し出します。躍動感のある落ち着いた紅色の花穂を和紙により、長さ 0.5~1cm ほどの大きさに縮小して表しました。
” Burnet ”
すらりとした草姿のワレモコウ。紅色の花が風に吹かれ揺れるさまが秋の情趣を醸し出します。躍動感のある落ち着いた紅色の花穂を和紙により、長さ 0.5~1cm ほどの大きさに縮小して表しました。
” Burnet ”
秋草として描かれてきた朝顔。江戸琳派で描かれてきた群青色の朝顔をイメージしました。花の直径を2cmほど、高さを13cmほどに縮小し、野趣ある風情を和紙の繊維の強さとしなやかさを生かして表しました。
”Japanese morning glory”
夏の太陽のように黄色い大輪の花を咲かせる向日葵。真っ直ぐに立つ姿は力強く季節を色鮮やかに彩ります。花、葉、それぞれの部分によって異なる質感の和紙を取り合わせ、立体感ある花の直径を4cmほど、高さを11cmほどに縮小して表しました。
“Sunflower”
奈良時代に渡来した菊は、平安時代には宮中の恒例行事として邪気を払い、健康と長寿を願う9月9日の重陽の節句に用いられるようになりました。重陽の節句には左右に人を分けて、菊を持ち寄り優劣を競う「菊合わせ」が行われていました。また、持ち寄った菊とその菊を題材にした和歌を詠んで優劣を競う、歌合も開催されました。
江戸時代、徳川幕府によって五節句が式日として制定されたこともあり、元禄の頃になると菊作りの流行が始まり、庶民の間にも新品種の作出や花を持ち寄り鑑賞する「菊合わせ」が盛んに開催されるなど、菊が愛でられるようになりました。そうした流れは、平安時代の雅への憧れ、平安時代の雅が吉祥とされていた時代の志向を映しています。重陽の節句の前夜、菊に赤、白、黄の三色に色分けされた綿を着せ、翌日に露と菊の香が移った綿で体を清めた行事に因み、菊の節句を象徴する赤、白、黄の小菊を花径1cmほどの大きさに縮小し、寄せ植え仕立てに表しました。
” Chrysanthemum Festival ”
https://www.nipponclub.org/activity_exhibition/
「 江戸からの豆おもちゃ展 」
Miniature Edo-style toys from Japan
In cooperation with Japan Foundation, New York
6/28 (Thu)-7/25 (Wed)
Monday-Friday 10:00 am-6:00 pm
Saturday 10:00 am-5:00 pm
Sunday closed
侘びた風情で日本の秋を伝えるホトトギス。秋らしい色合いの花びらの斑点が野趣を醸し出します。1.5cm角の鉢に合わせ、躍動感ある草姿を縮小し、和紙の落ち着いた色合いと点描によって小さな鉢仕立てに表しました。
”Tricyrtis hirta”
https://www.nipponclub.org/activity_exhibition/
「 江戸からの豆おもちゃ展 」
Miniature Edo-style toys from Japan
In cooperation with Japan Foundation, New York
6/28 (Thu)-7/25 (Wed)
Monday-Friday 10:00 am-6:00 pm
Saturday 10:00 am-5:00 pm
Sunday closed
江戸から伝承されている精巧な小さなおもちゃ、助六コレクションの展示をはじめ、江戸の庶民の暮らし、風情・風流、小さなものを慈しむ日本の心を伝える「江戸からの豆おもちゃ展」( ニュヨーク 日本クラブ )に寄せて、出展する和紙によるミニチュアの作品群です。
江戸時代に園芸植物として発展したサクラソウ、フクジュソウ、ハナショウブ、フウラン、ユリ類、ホトトギスやレンゲショウマなど日本固有の植物、江戸の人々が愛したスミレやカタクリなどの春草など、山野に咲く草花から選び、鉢仕立てに表しました。
春の野の長閑さ、生命感を愛でた江戸時代。「琳派」の絵画にみられるように、小さくて愛らしいレンゲやスミレ、サクラソウ、フクジュソウなどの春草は、春を象徴する題材としてよく描かれました。これらの春草は、長閑な田園風景を想起させて、素朴な山野草を好んで愛でた江戸の人々の優しさを感じます。
江戸時代の中頃に陶器の産地で植木鉢が量産されるようになると、庭のない庶民の住まいでも園芸を愉しめるようになりました。作品を取り合わせた鉢は、1~2cm角ほどの小さな陶器の豆盆栽用に造られたものを使っています。
https://www.nipponclub.org/activity_exhibition/
「 江戸からの豆おもちゃ展 」
日本クラブ7階 日本ギャラリー
145 West 56th Street, New York, NY 10019
2018年6月28日(木)~7月25日(水)
月~金 午前10時~午後6時 土 午前10時~午後5時 日曜休館
Miniature Edo-style toys from Japan
In cooperation with Japan Foundation, New York
6/28 (Thu)-7/25 (Wed)
Monday-Friday 10:00 am-6:00 pm
Saturday 10:00 am-5:00 pm
Sunday closed
鮮やかなオレンジの花色とすらりとした草丈のある姿が夏草らしいコオニユリ。花径を2cmほどに縮小し、鮮明な和紙の染色を生かして野趣ある風情を表しました。
” Maximowicz’s lily ”
日本固有の山野草、レンゲショウマ。下向きに咲く透明感のある白を基調とした花と丸い蕾のつき方に独特のものがあり、清らかな山の気配を漂わせます。また、花びらに薄紫が先端に入ったところは、清々しさを感じさせます。白と薄紫のぼかしの入った和紙を生かし、1.5cm角の鉢に合わせ、縮小して表しました。
” False Anemone ”
初夏から夏にかけて芳香のある白い繊細な花を咲かせる野生の蘭。江戸期には、葉が重なり合った姿が愛でられました。縞状の斑入りの葉を線描で表し、しっかりとした質感と立体感のあるフウランの葉の風情を出しました。白い花には手漉き和紙の白色ときめ細やかな風合いを生かし、1.5cm角の鉢に合わせて縮小して表しました。作品の高さは鉢を含めて6cmほどの大きさです。
”Vanda falcata”