
晩秋を黄葉で彩るナラ。数種類の和紙を取り合わせ、一枚の葉ごとに表情を出し、温かな雑木林をイメージしました。
”oak”

夏の夕暮れに白いレース状の花を咲かせた後に実を結び、秋の深まる頃、実は朱色に熟して実りの季節を伝えます。カラスウリの実と色付く葉を数種類の異なる質感の和紙を取り合わせ、野趣ある風情を表しまた。
“Japanese snake gourd ”

中秋の名月に寄せて、和紙の取り合わせと立体の薄によって、夜空に輝く月の風情を表したものです。夜空に浮かぶ月には、楮の手漉き和紙の持つ白色と表情を生かしました。
”Moonligt Night”

真紅の薔薇を厚みのある質感と深みのある和紙の色合いで表したものです。紙素材らしいすっきりとした輪郭を生かすため、花を引き立てる葉は簡略化しています。薔薇特有の深い緑の艶のある葉には、楮の和紙の持つ自然な光沢感としなやかな風合いの緑の和紙を選び、花の生命感を引き立てました。
” rose ”

楚々とした風情の紅額紫陽花。白い小花の集まりの両性花(りょうせいか)を囲む装飾花が、白色から濃紅色へと次第に花色を深めていきます。可憐な花色とほかほかとした優しい咲き方は、薄暗い梅雨の季節に辺りを明るい空気に包みます。
白から紅色へと移ろう花の風情を濃淡がはっきりと染め分けられた和紙によって表し、素朴な味わいの和紙の花包みにあしらいました。
”Hydrangea”

黒褐色の花色が神秘的な黒百合。うつむき加減に咲く姿が楚々とした佇まいの蛍袋。それぞれに花を引き立てるように葉の風情も野の趣を感じさせてくれます。数種類の和紙の取り合わせによって花の個性を引き出し、抑えた色合いの和紙を重ねて折った花包みにあしらいました。
“Kamchatka lily・Hotarubukuro”