
月の美しい季節。爽やかで清々しい秋の夕の情趣を空にかかる月と薄の穂を和紙の風合いによって表しました。
”Autumn grasses under the Moon”

濃い紅色の朝顔。鮮明な花色は、明るい葉色に映えて涼やかです。和紙による朝顔を紗綾形(さやがた)文様の友禅紙を表にして白い和紙を重ね、立体的に折り上げた花包みにあしらいました。
”Japanese morning glory”

黒褐色で深みのある花を咲かせ、山の気配を漂わせる黒百合。慎ましさの中に凛とした強さを感じ、花にまつわる物語を思い起こさせます。落ち着いた色合いの和紙によって個性的な花色を表しました。黒百合には和紙による草の葉を添え、和紙を折り畳んで扇に見立てたものにあしらいました。
“Kamchatka lily”

白い小花の集まりが、毬を思わせるオオデマリ。アジサイのように枝先に花をふんわりと咲かせ、その咲き方から、テマリバナとも呼ばれます。
柔らかな印象の花と葉脈が目立つ葉の特徴を和紙の繊細な色合いと風合いで表しました。
“Japanese snowball”

春のバラの季節。繊細な色の変化と抑えた光沢感に自然さを感じる和紙の持ち味を生かし、クラシカルな花形を表しました。ブーケ状にまとめたものを和紙のフレームに合わせました。
”Bouquets of roses”
爽やかな秋空に映える秋桜。可憐な秋桜を和紙の柔らかさで表し、素朴な味わいのちり入りの和紙で包みブーケにアレンジしました。リボンには、しぼ(皺)のある縞状に染色が入れられた柳絞りの和紙を使い和の趣を出しました。
“Cosmos”
春の夜の朧月に対して、秋の夜の澄み渡る空にかかる明月。春のしっとりとした柔らかな空気と対照的に冴々とした空気が漂う秋の夜。薄の穂と短冊の色合いで、月の光と静けさを表しました。
”Autumn grasses under the Moon”
夏から秋にかけて咲く秋の七草のひとつ撫子(なでしこ)。撫子を愛していた幼子の形見としたという伝説から「形見草」とも呼ばれていました。名の表すとおりの「撫子」の持っている愛らしさとたおやかな線を描く姿に共感し、和歌や物語、絵画、工芸などさまざまなものの中に心を託すものとして古来より受け継がれてきました。
楚々と野に咲く可憐な河原撫子を和紙で表し、陶器の器にあしらいました。
“pink”
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