秋の山野を黄色に彩る、アキノキリンソウ。鮮明な黄色い花は人目を引きます。
キク科らしい繊細で優しい印象の花を段々に咲かせた草姿は、秋を感じさせます。和紙の柔らかな風合いによって花の風情を表し、短冊にあしらいました。
”Golden-rod”
秋の山野を黄色に彩る、アキノキリンソウ。鮮明な黄色い花は人目を引きます。
キク科らしい繊細で優しい印象の花を段々に咲かせた草姿は、秋を感じさせます。和紙の柔らかな風合いによって花の風情を表し、短冊にあしらいました。
”Golden-rod”
草むらに覆いかぶさるように白い花を咲かせるセンニンソウ。夏から秋へと移ろう季節、緑の草葉の上に星を散りばめたように咲く姿は、人目を引きます。繊細な花を和紙のしなやかさと白色で表し、短冊にあしらいました。
”Sweet autumn clematis”
枝先にフリルの入った小花が群れ咲く姿が夏空に映えるサルスベリ。百日間紅い花が咲き続けるという名の表すとおり、夏から秋にかけて次々に開花し、季節を彩ります。のびやかな枝先につく、紅紫の花をしなやかな和紙の風合いで表し、短冊にあしらいました。
”Crape maytle”
初秋の高原で風に揺れて咲く、マツムシソウ。多数の小花の集まりによる頭花(とうか)という花のつき方に特徴があります。薄紫の小花を薄口の柔らかな和紙で花の風情を表し、短冊にあしらいました。
”Scabiosa japonica”
薄紫の長い花穂に繊細な小花を咲かせる姿が涼やかなヤマスゲ。薮蘭 (やぶらん)という別名で親しまれ、庭園の下草によく用いられます。ヤマスゲの深緑の伸びやかな葉の描く曲線は、風情があります。薄紫の花穂をグラデーションの和紙の変化で表し、花穂の風情を短冊にあしらいました。
“ Big blue lilyturf”
純白の花が印象的なセンジュガンピ。細やかな花びらの切れ込みが繊細で清楚な日本固有の高山植物です。夏の高原でひっそりと咲く花を和紙の白色としなやかさによって表し、短冊にあしらいました。
” Lychnis gracillima ”
江戸に徳川幕府が開かれたことをきっかけに、江戸城をはじめ大名屋敷や武家屋敷、寺社仏閣の造成に従い、城や屋敷、寺社の庭園を演出する樹木としてブームとなった楓。
庭園を彩る樹木の生産地、江戸の巣鴨染井村の植木屋、伊藤伊兵衛の五代目政武(まさたけ)は和歌を引き、品種名として園芸種を発表しました。春よりも多くの和歌が詠まれてきた秋。和歌の伝統によって、秋の美意識を楓に託し、江戸の人々に広めました。
文学を取り入れ、風雅な植物として発展させたことを偲ばせる園芸種より、秋の夕暮れを詠んだ『新古今和歌集』秋歌上に排列されている三夕の歌、西行の一首
心なき 身にもあはれは しられけり 鴫たつ沢の 秋の夕暮
より引かれた名を持つ「鴫立沢(しぎたつさわ)」を和紙で表しました。
鴫立沢(しぎたつさわ)楓は、政武が江戸後期、寛保二年(1742年)に刊行された『三夕楓之図』(さんせきかえでのず)で発表しています。西行の一首を引いた「鴫立沢」(しぎたつさわ)、寂連法師の一首を引いた「槙立山」(まきたつやま)、定家の一首より引いた「浦苫屋」(うらのとまや)の三夕楓(さんせきかえで)の3つの品種うち、「鴫立沢」(しぎたつさわ)は現存する唯一の品種です。
浅緑の明るい葉色に葉脈の筋がくっきりと浮かび上がったところが爽やかな印象の楓です。薄く柔らかな楓の葉の質感と鴫立沢(しぎたつさわ)楓の個性を和紙の特性と線描によって表し、短冊にあしらいました。
”Shigitatsusawa”