
涼やかで可憐な花に野の風情を感じる昼顔。
優しい淡い色合いの花は、飾り気がなく野の花の強さを内に秘めています。
蔓と葉の動きには夏草の勢いを感じます。柔らかな染色の和紙の風合いを生かし、立体感ある花扇画に表しました。
”Calystegia japonica”
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涼やかで可憐な花に野の風情を感じる昼顔。
優しい淡い色合いの花は、飾り気がなく野の花の強さを内に秘めています。
蔓と葉の動きには夏草の勢いを感じます。柔らかな染色の和紙の風合いを生かし、立体感ある花扇画に表しました。
”Calystegia japonica”
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涼しやと風の便りを尋ぬれば 茂みになびく野べのさゆりば (風雅和歌集:式子内親王)
Suzushiya to kaze no tayori wo tadunure ba shigemi ni nabiku nobe no sayuri ba
(Fuugawakashū:shokushi naishinnou)
『風雅和歌集』の夏歌のなかで、蛍の歌題に次いで配列された夏草を歌題とした一首。
夏は”涼しさ”を基調とした歌が好まれました。夏の”涼しさ”は、視覚・聴覚・触覚などを水・風・木陰・月などの自然事象と取り合わせて詠まれました。
式子内親王の歌は、風の届けてくれた涼やかな花の香りを辿っていく先に、夏草が生い茂った野辺に百合のひっそりと咲く姿が見出される展開が見事です。
”風の便り”を触覚・嗅覚・視覚によって多面的に捉えて緩やかな時間の流れを伝えています。百合の楚々とした草姿、夏の清風に心安らぎます。
さやさやとした微かな風の流れる音を感じる一首を料紙に野辺に茂る草を線描で表し、歌を書で表しました。

清らかな香りと凛とした草姿が優美な夏の花、百合。日本には多彩な百合が自生し、古来より親しまれてきました。山里に咲く山百合のイメージを和紙の特質を生かし、省略によって表しました。
” lily ”

初夏の野の花2種を和紙で表し、和紙で折った花包みにあしらいました。
存在感あるクロユリ。優しく素朴な味わいの白いホタルブクロ。凛としたクロユリとたおやかなホタルブクロの異なる趣2種を取り合わせ、初夏の山の風情を伝えました。
花包みは、それぞれの花色を引き立てる色合いのもの2種を重ね合わせ、和紙の自然な風合いを生かしました。
“Kamchatka lily・Hotarubukuro”

夏、白い花穂(かすい)が清楚で風趣あるノリウツギ。アジサイ属のなかでも、他のアジサイとは異なり、枝先に立体的な円錐形に細やかな両性花を広げ、その周囲にひらひらとした白い優美な装飾花を咲かせます。
性質の異なる白い和紙を組み合わせ、軽やかでふんわりとした花穂を表しました。
”Hydrangea paniculata”

楚々とした風情のヤマアジサイの園芸種、紅額紫陽花。白い小花の集まりの両性花(りょうせいか)を囲む装飾花は、白色から濃紅色へと移ろっていきます。細やかな白い両性花は、装飾花の紅色を際立たせます。可憐さとヤマアジサイの素朴さに心和みます。
白い花色に紅が差し始めた頃の可憐なイメージと野趣ある姿を異なる質感の和紙の取り合わせによって表し、陶器の花器にあしらいました。
”Hydrangea”

夕暮れに咲く白い花が翌朝、しぼむ頃には紅色に変化する月見草。江戸時代末に日本に渡来したとされています。夏の一日花特有の儚さが漂う、透明感のある花弁を和紙の微かな染色と柔らかな風合いで表し、短冊にあしらいました。
”Oenothera tetraptera”