素朴で可憐な野菊。
繊細な花びらを和紙の繊維の強さを生かし表しました。
”Wild chrysanthemum”
投稿者「ymatsu」のアーカイブ
野辺の秋風
色かはる露をば袖に置きまよひ うらがれてゆく野辺の秋かぜ(新古今和歌集:藤原俊成女)
Iro kaharu tuyu woba sode ni oki mayohi uragerete yuku nobe no aki kaze (Shinkokin Wakashū :Fujiwara no Toshinarinomusume)
寂寥感溢れる秋の野に”あはれ”を見出した感動を和紙の染色と書で表し、和紙の木の葉をあしらいました。
「野葡萄」
「吹き寄せ」
色鮮やかに染まった木の葉が、秋風によって吹寄せられて集められた様を”吹き寄せ”と呼びます。
吹き寄せを文様のように和紙によって立体的に表してみました。
画像の木の葉は、11月3日に講習しました形のものです。
葉の形は切れ込みを単純化して省略し、和紙の柔軟で融通の利く性質を生かして葉の一枚一枚に表情を出しました。
板締和紙、しぼ(皺)のある強制紙、民芸紙などを使いました。
紙の厚みや硬度の違い、単色のものと色の混ざっているものなど素材の取り合わせ方によってシンプルな表現でも多様に変化を愉しんでいただけます。
さりげなく置いて飾っていただくだけでも季節を愉しんでいただけます。
参考にしていただけましたら幸いです。
次回につきましては詳細が決まりましたらブログ・フェイスブックにてお知らせいたします。
“fallen leaves”
菊に寄せて
野の花より 「吾亦紅」
「山茶花」
晩秋から咲き始め、柔らかな花容で冬へと移り変わる季節を伝えてくれる山茶花。
平らにはらりと開いた形状には優しさを感じます。
柔らかな質感と色合いの和紙で花の趣を表しました。
”Sasanqua”
「椿」
暮秋
紅葉ばの別れ惜しみて秋風は けふは三室の山を越ゆらん(貫之集:紀貫之)
Momijiba no wakare oshimi te akikaze ha kefu ha mimuro no yama wo koyu ran (Tsurayukisyu:Kino Tsurayuki)
歌の詞書に”九月晦”とあります。旧暦の九月は暮秋とも呼ばれます。
古来より紅葉の名所として歌に詠まれてきた三室山。奈良の斑鳩にある三室山のふもとには同じく紅葉の名所、竜田川が流れています。
三室山を越えて吹く風によって散った紅葉で竜田川の川面が染められた美しさが歌に詠まれてきました。
これから散紅葉によって次第に染め上げられていく景色を想い、段染め和紙の色合いと書で表しました。
花短冊 「紅葉」
短冊の幅が細く縦長の画面の特性を生かし、枝の流れを表しました。
柔らかな薄口の和紙によって紅葉のしなやかな感触を伝えたいと思いました。
”Hana-Tanzaku Scarlet Maple”










