「源氏物語絵巻 第六帖 末摘花」 “Genji Monogatari Emaki no.6 Suetumuhana” 源氏物語絵巻シリーズの一作。 常陸宮の姫君(末摘花)は、両親を失い、荒れた邸で暮らしています。 雪が降り積もった朝、源氏は初めて末摘花の姿をご覧になりました。 姫の困窮を案じ、行く末の世話を決心します。
「源氏物語絵巻 第十四帖 澪標」 “Genji Monogatari Emaki no.14 Miotsukushi” 源氏物語絵巻シリーズの一作。 帰京した源氏は内大臣となり、再び政権は源氏に戻りました。 秋にお礼参りに住吉神社に参詣しました。住吉参詣には折りしも、明石入道と明石の上も来ていました。 明石入道と明石の上は、源氏の行列の盛大で華やかな様子に気後れし、源氏とは会わずに舟を難波に戻させました。
「源氏物語絵巻 第十六帖 関屋」 “Genji Monogatari Emaki no.16 Sekiya” 源氏物語絵巻シリーズの一作。 源氏は石山詣に向かう途中、晩秋紅葉の美しい風景の広がる逢坂の関で空蝉の一行と出会います。 12年ぶりに逢坂の関で再開した源氏と空蝉は、互いに感慨深く思われました。
「源氏物語絵巻 第三帖 空蝉」 “Genji Monogatari Emaki no.3 Utusemi” 空蝉は自分の置かれた立場を冷静に考え、歌を書きつけました。 背景にある竹の文様は、空蝉のしなやかで凛然とした人柄を表しています。
「源氏物語絵巻 第十三帖 明石」 “Genji Monogatari Emaki no.13 Akashi” 嵐の夜、夢に亡父の桐壺帝が現れ、住吉の神の仰せにより、すぐに須磨を去るように告げました。翌朝、夢のお告げを受けたと、明石入道の使者が源氏を迎えに来ます。 源氏が須磨から明石へ移る場面を画きました。 友禅和紙の露芝文様を波に見立て、明石の海を表現してみました。
「源氏物語絵巻 第十二帖 須磨」 “Genji Monogatari Emaki no.12 Suma” 源氏は政変によって、自ら都を離れて須磨へ退去を決意します。須磨には訪れる人もなく、侘しさから遠方の波音が海辺にでもいるかのように聞こえます。 須磨の浦波の音が響く様を友禅和紙の文様を使い、和紙画で表しました。
「源氏物語絵巻 第十一帖 花散里」 “Genji Monogatari Emaki no.11 Hanachirusato” 源氏物語シリーズ、和紙画の一作。 源氏は花散里とその姉の麗景殿女御の住む邸を訪れます。邸は橘の香りに包まれています。桐壺帝の女御であった麗景殿女御と源氏は亡父桐壺帝の思い出を語り合い、「橘の香をなつかしみほととぎす 花散る里をたずねてぞとふ」と歌を詠みました。橘の花は花散里の親しみやすく忘れがたい人柄を表しています。
「源氏物語絵巻 第五帖 若紫 」 “Genji Monogatari Emaki no.5 Wakamurasaki” 北山を訪れた源氏は小柴垣のある庵で、雀を逃がして泣いている少女(紫の上)を見かけました。 場面は桜があたり一面咲く中、小柴垣越しに雀を逃がしてしまった場面を画きました。 小柴垣と雀は同柄の友禅和紙を使っています。1枚の紙の中に3種の柄が同系色で組み合わされているものです。素材自体の色や柄の組み合わせがメリハリがあり、面白いものなので活かしてみました。
「源氏物語絵巻 第十帖 賢木」 “Genji Monogatari Emaki no.10 Sakaki” 源氏は六条御休息所が住む、嵯峨野宮を訪れます。 嵯峨野の野宮あたりは小柴垣があちらこちらに見えます。見渡せば黒木の鳥居がいくつかあり、簡素な小柴垣の風情と溶け合い神々しく厳かな気配を感じます。 黒地の秋草文様の友禅和紙を使い、和紙画で嵯峨野の風景を画いてみました。
「源氏物語絵巻第二帖 帚木」 “Genji Monogatari Emaki no.2 Hahakigi” 源氏は頭中将、藤式部、左馬頭らと女性について論議をしています。その中で左馬頭が訪れた邸で殿上人が笛を吹き、和歌のやり取りをしていた様子が語られ、その光景の美しさが印象に残りました。