「源氏物語絵巻 第四十帖 御法」 “Genji Monogatari Emaki no.40 Minori” 紫の上は大病をして以来、病状は思わしくなく死を自覚しています。 一時の小康にあり見舞いに来た養女の明石の中宮と庭の萩を眺めます。 死を前にした紫の上は、「おくと見るほどぞはかなきともすれば風に乱るる萩の上露」と萩の葉に露が宿っても風で散って消えてしまうような我が身のはかなさを歌に詠みました。 紫の上の歌を受け、源氏と明石の中宮は「露の世」を詠みました。 (12×13.5cm)
「源氏物語絵巻 第三十九帖 夕霧」 “Genji Monogatari Emaki no.39 Yugiri” 夕霧は柏木の遺言を受け落葉を宮を見舞って以来、宮へ思いを寄せるようになっていました。 落葉の宮は母の病気療養のため小野の山荘に暮らしています。 小野は静かな山里で都とは別世界のような趣です。 夕霧は宮の母を見舞いますが、宮は心を閉ざしています。 夕霧は立ち込める霧に想いを込め「山里のあはれをそふる夕霧にたち出でん空もなき心地して」と歌を落葉の宮に贈りました。 (12×13.5cm)
「源氏物語絵巻 第三十八帖 鈴虫」 “Genji Monogatari Emaki no.38 Suzumushi” 秋の頃、源氏は鈴虫の宴をして若い公達たちと夜を明かそうとしていた折、冷泉院から消息があり居合わせた人たちを連れて冷泉院の元を訪れます。 冴え渡る月の光が照らす中、まだ若くして自ら帝位を退き静かに暮す冷泉院と対面した源氏は感慨深く思われました。 (12×13.5cm)
「源氏物語絵巻 第三十七帖 横笛」 “Genji Monogatari Emaki no.37 Yokobue” 柏木の一周忌も済み、秋になった頃、夕霧は柏木の未亡人の落葉宮の元を訪ね、形見の横笛を贈られました。 その晩夕霧の枕元に柏木が現れ、横笛は他に伝えたい人がいると告げました。 (H.14cm)