投稿者「ymatsu」のアーカイブ

扇面「秋海棠」

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うつむき加減に可憐な花を咲かせるシュウカイドウ。
瓔珞草(ようらくそう)という別名からは、繊細な小花が垂れて咲く優美な姿が仏像の装飾品の瓔珞を想わせるところに由来します。日本に伝わったのは、江戸時代のことです。春に咲く海棠の風情に由来して秋の海棠と名づけられているように、夏から秋へと移り変わる季節を彩る花として親しまれてきました。
繊細な小花と表情豊かで光沢感のある葉を和紙の風合いと色合いで表し、扇子にあしらいました。

“Hardy begonia”

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一日講習会のご案内「クリスマスローズ」

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一日講習会  「クリスマスローズ」
2015年 11月3日(火)10:00~12:00 
小津和紙 ( 東京日本橋 http://www.ozuwashi.net/ ) 

冬に向かう季節に向けて、冬の寒い時季から優美で清楚な花をうつむき加減に咲かせるクリスマスローズを制作します。
花のそれぞれの部分に合った和紙素材を使い分け、一重のシンプルなクリスマスローズを簡略に表現してみます。
白い花色のものには、和紙の凛とした風合い生かします。
クリスマスローズの中でも優しい印象の丸弁のワインレッドの花色のものには、板締和紙の落ち着いた色合いを生かします。
仕上げた花は、自然で温かみのあるちり入り和紙を使いブーケにまとめ、リボンには揉み紙を使い、すべてを和紙で作り上げます。そのまま置いて飾っていただけます。

講座のお申し込み・お問い合わせは、小津和紙 文化教室の下記のリンク先 
(一日講習会のページ http://www.ozuwashi.net/learning )までお願い申し上げます。

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葛の葉

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吹きまさる風のままなる葛の葉の うらめづらしく秋はきにけり(玉葉和歌集:一条実経)
Fuki masaru kaze no mama naru kuzu no ha no ura medurasiku aki ha kini keri
(Gyokuyouwakashū:Ichijyou uchitsune)

風の吹くままに葉裏をみせる葛の葉に秋を感じ、「うらめづらしく」と心惹かれる想いを詠んだ歌です。「うらめづらしく」の「うら」には、葉の裏と心の内が重ね合わされています。葛は、風と取り合わせて和歌に詠まれることが多く、花よりも葉が注目されていました。
風が激しくなり、野辺の葛の葉が吹き返されて白く波立つ情景が浮かび上がってみえます。時の移ろい、肌で感じた冷気、風の音、葉の動き、野辺の空気感など五感で感じた秋の情趣が伝わってきます。

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月下美人

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夏の夜、優美で繊細な花を咲かせる月下美人。白い花びらの重なりを和紙の白色の重なりと透明感、薄くても丈夫な和紙の繊維の強さを生かし、短冊の画面に表しました。

”Dutchmans pipe cactus”

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扇面「葛」

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秋の七草のひとつ、葛。赤紫の濃淡のある花穂と葉裏の白をみせながら風にそよぐ姿に風情があります。風に吹き返されて白い葉裏が波立つようにみえ、野辺を渡る風も爽やかで秋の訪れを感じさせます。
葛の花穂と葉、躍動感のある蔓を和紙の色と繊維の強さで表し、扇子にあしらいました。
“Kudzu vine”

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花色紙「紅葉葵」

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鮮やかな花色と涼やかな葉の取り合わせに風情のあるモミジアオイ。草丈のある大柄のモミジアオイを限られた画面に合わせて切り取り、立体感ある花扇画に表しました。和紙の持ち味を生かし、特徴ある葉の線を出しました。

”Hana-Shikishi Scarlet rose mallow”

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藤袴

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雅やかな趣のある淡い紅紫色の花で秋の風情を伝えるフジバカマ。
奈良時代に日本の渡来し、秋の七草のひとつとして数えられてきました。控えめな花色と佇まいは、秋の野辺を想わせてくれます。
繊細な花の形状を和紙の柔らかな風合いと繊維の強さによって表しました。

“Thoroughwort”

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