投稿者「ymatsu」のアーカイブ

春の隔て

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我が宿の垣根や春をへだつらむ夏来にけりと見ゆる卯の花 (拾遺和歌集:源順)
Waga yado no kakine ya haru wo hedatsu ramu natu kini keri to miyuru unohana
(Minamoto no Shitagou)

「卯の花」と呼ばれて親しまれてきたウツギ。ウツギは家の周囲との境に垣根として古代より植えられ、「卯の花」と「垣根」を組み合わせた歌は万葉集にもみられます。
古今集以降、夏の景物として位置付けられ、「卯の花」と「垣根」の組み合わせによる表現は受け継がれていきました。
画像は、「卯の花」の垣根を春と夏を隔てる境界として捉えた一首を書で表したものです。

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貝合わせ「空木(うつぎ)」

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初夏、白い小花が集まって枝先につく姿が楚々として可憐なウツギ。
ウツギは「卯の花」と呼ばれ、万葉集の時代より盛んに歌に詠まれ、夏の到来を告げる花として親しまれてきました。
旧暦4月を卯月と呼ぶのは、卯の花が咲く季節に由来し、古の人が「卯の花」に心を寄せてきたことが伝わってきます。
和紙の柔らかな風合いと白色を生かし花の風情を表し、和紙の蛤にあしらいました。

”Deutzia”

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更衣

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櫻色の衣にもまたわかるゝに春を残せるやどのふぢなみ (風雅和歌集:式子内親王)
Sakura iro no koromo nimo mata wakaruru ni haru wo nokoseru yado no fuji nami (Fūga Wakashū:syokushi naishinnou)

春から夏へと季節の色が移り変わる時季。平安時代、宮廷では旧暦4月1日に春着から夏着へと改められていました。
風雅和歌集では夏部の始まり、更衣の題に配列されている歌です。夏着に移り変わる時季になっても、藤の花の咲く辺りは、華やいだ春の気配が漂っています。無心に咲く藤の花に託した惜春の想いを書で表しました。

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苧環(おだまき)

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山の清澄な気配を漂わせる青紫の深山苧環(みやまおだまき)。
名の由来のとおり、花の形状が糸を紡ぐ糸巻きを想い起こすような独特なものがあります。
繊細な花の構造を柔らかな質感の和紙で表し、緑を基調とした継ぎ紙にあしらいました。

“Aquilegia”

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端午の節句飾り

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菖蒲の節供とも言われる端午の節句。
清々しい香気のある菖蒲や蓬は、邪気を払う力があるとされて季節の花と合わせ、薬玉にもされました。紅白の皐月の花、菖蒲と蓬の葉を和紙で表し、節句飾りに仕立てました。

“Boy’s Festival”

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躑躅 (つつじ)

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春から初夏に向けて、鮮やかな花色と明るい緑の葉の対比で爽やかに季節を伝えるツツジ。
ツツジは種類も多く、古より和歌の題にもされており、季節を伝える花として親しまれてきました。
筒状になった花弁の途中から5つに分かれているところに特徴があります。
紅紫の鮮やかな染色の和紙で花の風情を表しました。
”Azalea”
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