
冬の庭を色鮮やかに可憐に彩るパンジーとプリムラ。和紙の鮮明な色合いとしなやかな風合いによって表し、陶器にあしらいました。
” Pansy & Primula “
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「植物」-草木のある風景-
2024年3月26日(火)~3月31日(日)
12:00~19:00 (最終日は17:00にて終了)
gallery DAZZLE( 東京 北青山 )https://gallery-dazzle.com/
植物展に参加致します。日本の四季を彩る草花をテーマに作品を展開してまいります。

わが園に 梅の花散る ひさかたの あめより雪の 流れくるかも (万葉集:大伴旅人)
Waga sono ni ume no hana chiru hisakata no ame yori yuki no nagare kuru kamo
(Manyoushū:Ōtomo no tabito)
庭の白梅の花びらがしきりと散っている。あれは、花びらではなく、天空から雪が舞い降りてきているのだろうか、と詠まれた一首。
一首は万葉の代表歌人の一人、大伴旅人(おおとも の たびと)が、大宰府の長官であった折、自らの館で主催した観梅の宴で詠まれたものです。白梅を雪に見立てた一首は、白梅の清らかさと共に、観梅の宴の雅な風情が伝わってきます。中国より渡来した早春の季を知らせる白梅は、万葉の時代人々に愛され、白梅賛美の歌が数多に詠まれました。
清雅な白梅の佇まいに寄せて詠まれた一首を書で表しました。

雪降れば 冬ごもりせる 草も木も 春に知られぬ 花ぞ咲きける (古今和歌集:紀貫之)
Yuki fureba fuyu gomori seru kusa mo ki mo haru ni sirarenu ha zo saki keru (kokin Wakashū:Kino Tsurayuki)
草木の積もった雪を「春にしられぬ花」に見立てた一首。古今時代を代表する歌人の一人、紀貫之が桜の落花を雪に見立てた発想と対をなす形で雪を冬に咲く花に見立てました。白雪を頂いた草木は、厳しい冬を超えて咲く花の生命感と気高さを伝えます。
桜の花に劣らぬ白雪に包まれた冬の草木の美しさを詠まれた一首を書で表しました。