
紫の繊細な小花が涼やかなサワギキョウ。清楚な白花のゲンノショウコを取り合わせ、陶器の一輪挿しにあしらいました。
”Lobelia sessilifolia・Geranium thunbergii”

にほんブログ村
紫の繊細な小花が涼やかなサワギキョウ。清楚な白花のゲンノショウコを取り合わせ、陶器の一輪挿しにあしらいました。
”Lobelia sessilifolia・Geranium thunbergii”
リンドウに似た薄紫の花を咲かせる蔓性の山野草、ツルリンドウ。秋の山野でそっと咲く花の風情を薄口の和紙の取り合わせで表し、扇子にあしらいました。
“Tripterospermum japonicum”
一日講座「白梅に隈笹」
2023年 11月3日 (金)祝日 / 11月4日(土)
各日 10:00~12:00
小津和紙 ( 東京日本橋 http://www.ozuwashi.net/ )
寒気の中、春の息吹を伝える清楚な白梅。冬期に濃緑の葉の縁が白く隈どられる隈笹(くまざさ)。新春に向けて、厳寒に耐え、凛として清々しい佇まいの2種の植物を和紙の落ち着きのある風合いと色合いで表します。作品は和紙を手折った扇子にあしらい、そのまま飾っていただける形式に一回で仕上げます。
講座のお申し込み・お問い合わせ・変更は、小津和紙文化教室(一日講座のページhttp://www.ozuwashi.net/lectureship_trial.html)までお願い申し上げます。
多彩な花々に彩られる秋の野。赤紫の花が秋らしく野趣の深い葛、清楚なヒヨドリバナ、爽やかな秋を伝えるリンドウ。3種の山野草を和紙の持つ柔らかさと温かみを生かして表し、木製の花器にあしらいました。
”Kudzu vine・Eupatorium chinense・Gentian”
薬草として効能がすぐに現れることに由来する名を持つゲンノショウコ。フウロソウの仲間らしい繊細で可憐な花を咲かせる軽やかな草姿をしなやかな和紙の風合いと線描によって表し、グラスにあしらいました。
”Geranium thunbergii”
夏から秋へと進む秋の野で咲く花々。
一重の端正な花が白梅を想わせるウメバチソウ。白から紅色の変化に富む、可憐な花を多数つけるミゾソバ。薄紫の繊細な花が優しいヨメナ。小振りで控えめな花が秋らしい佇まいのツルリンドウ。鮮やかな黄色の小花が愛らしいスベリヒュ。
それぞれの植物の特性に合わせた和紙の取り合わせによって表し、竹の花籠にあしらいました。
”Autumn grasses”
むらすずめ 声する竹に うつる日の 影こそ秋の 色になりぬれ (風雅和歌集:永福門院)
Mura suzume koe suru take ni uturu hi no kage koso aki no iro ni nari nure(Fuugawakashū:Eifukumonin)
雀の群れが静かな竹林を騒がす。その竹藪に射す光線に秋の気配を感じ、詠まれた一首。
一首を詠んだ永福門院(えいふくもんいん)は、京極派を代表する歌人の一人です。伏見天皇の中宮となり、伏見天皇が譲位によって伏見院となられたのに伴い、門院となられました。一首は『風雅和歌集』秋上で、「立秋」を題とした中に排列されています。
『風雅和歌集』は、鎌倉時代に『新古今和歌集』が成立して以降、歌壇に新風を興した京極為兼(きょうごくためかね)を中心とした京極派による勅撰和歌集です。為兼は、歌に詠まれる自然観照と人生観照を独立させ、純粋な叙景歌と抒情歌へと発展させました。
為兼の樹立した京極派の流れを継承した花園院の企画監修により、光厳院が撰者となって『風雅和歌集』は撰集されました。
清澄な山家を主題とした永福門院の一首は、特定の季物ではない「雀」と「竹」を題材に選び、「秋の色」という言葉で季節の移ろいを感覚的に表現されたところに京極派の特色が表れています。
夏の間、整然と青々茂る細葉が清涼感を伝えてきた竹林。その竹林に差し込む夕日の光線が和らいで感じられ、秋の気配を伝えます。静けさが漂う山里の竹林に雀のさえずる声と活発な動きによって素早く変化する影と、音なく緩やかな時間の推移によって変化する竹の影を聴覚と視覚、動と静の観点から対比して捉えることで竹林の閑寂さが際立ちます。
細やかに自然を凝視し、次第に薄れてゆく夕日の光を「秋の色」と捉え、夕景の感動を詠まれた一首を書で表しました。
白い小花を多数、上向きに咲かせるセンニンソウ。花びらに見えるがく片と複数ある雄しべや雌しべは、花を立体的にみせます。白花が動きのある葉に映える山野草を和紙の取り合わせ方で表し、竹の花器にあしらいました。
”Sweet autumn clematis”
濃緑の葉の間に垂れる黄花が慎ましい趣のジョウロウホトトギス。花弁に斑点が野趣ある秋の山野草を和紙の彩と点描によって表し、竹の一輪挿しにあしらいました。
”Tricyrtis macrantha”