正方形の折り紙の四隅を切り、八角形にした折方。
同じパターンが続く幾何学的な伝統文様を使うと立体的に感じられます。
左は菊立涌(きくたてわく)、右は麻の葉文様です。

正方形から折った鶴のぽち袋。
八角形の折方と同じく伝統文様を使い立体感を出しました。
左は亀甲文様、右は波文様です。

いずれも連続して繰り返していく文様は吉祥のものでもあり、贈り物に使われるとよいと思います。
面影を心にこめてながむれば 忍びがたくもすめる月かな
(建礼門院右京大夫集:建礼門院右京大夫)
omokage wo kokoro ni komete nagamureba sinobi gatakumo sumeru tuki kana (kenreimoninukyounodaifusyu:kenreimoninukyounodaifu)
歌の詞書には「月の夜、例の思ひ出でずもなくて」とあります。
美しい月を眺めていると心に秘めようとしても堪えきれなくなるという想いを墨色のグラデーションの和紙に書で表しました。
9月30日~10月6日に開催されます「京都老舗の会」でのおりがみ講習に向けて企画した「羊」。
和紙の図柄と金千代和紙の布のようなしっとりとした風合いを活かし、立体感と安定感のある形を提案いたしました。
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
“Eto no.8”

ともすれば月すむ空にあくがるる 心のはてを知るよしもがな(山家集 :西行)
月澄む空に”あくがるる心”に自然の神秘を感じ、心惹かれる一首を書で表しました。
かなを書いた料紙の両端に薄口の楮紙をあしらい画面に奥行きを出し、澄んだ月のかかる天空にたとえ憧れる心の無限の広がり、底知れぬ深さを伝えたいと思いました。
tomosureba tuki sumu sora ni akugaruru kokoro no hate wo siru yosi mogana (Sankashū : Saigyō)
ブルー系統の板締和紙の染色の変化を生かし、立体感と瑞々しさを伝えてみました。
一日講習にご参加いただきました皆様には御礼申し上げます。
次回は11月初旬に講座を予定しております。
詳細が決まりましたらお知らせいたします。
“Hydrangea wreath”
兜飾りと和紙による菖蒲と蓬を白い和紙による花包みにあしらったしつらえ。
兜は落着いた重厚感のある友禅和紙で折っています。
菖蒲の凛とした葉は季節を伝えてくれます。
兜、花包み、菖蒲、蓬とそれぞれに厚み・風合い・質感の異なる和紙の取り合わせによってそれぞれを引き立てました。
“Boy’s Festival”
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2006年4月28日より始まりましたラブログでの投稿が3月31日をもちまして終了いたしました。
ラブログから継続してご覧いただいております皆様には心より御礼申し上げます。
2006年にブログを始めるにあたり、私の目指すところをブログのタイトルに込めたいと「和紙クラフト」という言葉を考えました。
自然の恵みを生かした和紙の力、和紙の持つ可能性を私なりに広く伝えていきたいという想いからでした。
和紙の持つ美しさ、神々しさ、強さ、温かさ、素朴さ、柔軟性、通光性、通気性などが多彩な表現を可能にしてくれます。
また、作品を画像表現することで光を透したり、影を映すことで和紙の表情の豊かさを伝えられるところはブログを始めてよかったと思うところです。
色紙、短冊、かな料紙、扇子などの和紙工芸品と作品の取り合わせ方を紹介できるのもブログならではの画像でお伝えできるところです。作品のカテゴリーで短冊、扇面と分類しておりますが、短冊と扇子は余白・余情、日本の伝統美を伝える素材と思います。
かな料紙は、作品の背景や扇面に使っております。かな文字の誕生とその発展によって伝えられてきた王朝美を今に伝える優美で気品ある和紙工芸の世界もまた素朴な味わいのものとは異なった和紙ならではの魅力があります。
かな料紙の金銀箔や文様、質感・素材の違い、染色など画像表現に生かしております。作品の背景を含め、和紙によって創り出せるところも画像での表現の愉しみと思います。
作品主体の投稿という形式で継続できましたのは、皆様からお寄せいただきました温かなメッセージ、ご声援によるところと感謝しております。ラブログを通じての多くの方との出会いは私の創作活動の大きな力となりました。
ブログの開設当初に「和紙クラフト」というタイトルに込めた理念を気持ちを新たに形に表してまいります。
和紙ならではの素材を生かし、立体・平面の展開、人形・和紙の花・立体造形など多様な表現を紹介してまいります。
今後とも宜しくお願い申し上げます。