白粉花

夏の夕暮れ、柔らかで愛らしい小花が浮かび上がるように咲くオシロイバナ。密生する葉に鮮やかに映える花が夏らしいオシロイバナをしなやかな和紙の質感によって表し、陶器にあしらいました。

”Mirabilis jalapa”

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和紙クラフト一日講座「薔薇と実物のアレンジ」

一日講座「薔薇と実物のアレンジ」
2024 年11月4日(月)振替休日 / 11月30日(土)
各日 10:00~12:00
小津和紙 ( 東京日本橋 https://www.ozuwashi.net/ )

艶やかな深紅の小輪のバラに漆黒に色づくヒオウギの実を添え、晩秋の落ち着きのある趣を和紙のしっとりとした色合いと質感によって表します。また、和紙の柔らかな色合いを生かしたシルバーリーフのシロタエギクと明るく柔らかな和紙の質感によるリキュウソウのグリーンを添え、クリスマスシーズンに向けて、そのまま飾っていただける形式に一回で仕上げます。

講座のお申し込み・お問い合わせ・変更は、小津和紙文化教室(一日講座のページhttps://www.ozuwashi.net/lectureship_trial.html)までお願い申し上げます。

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誰が秋に

誰が秋に あらぬものゆゑ 女郎花 なぞ色に出でて まだきうつろふ(古今和歌集:紀貫之)
Taga aki ni aranu mono yue ominaheshi nazo iro ni idete mada ki utsurofu
(kokin Wakashū:Ki no Tsurayuki)

秋は誰にも訪れるというのに、なぜオミナエシの花だけが衰えてみえるのだろうかと詠まれた一首。『古今和歌集』の秋部に配列されている歌の詞書には、「朱雀院の女郎花合(をみなへしあはせ)にてよみたてまつりける」とあります。

「女郎花合(をみなへしあはせ)」とは、オミナエシの花に和歌を添え、花の美しさと歌の優劣を競い合った歌合(うたあわせ)で、898年に宇多上皇が主催しました。優雅な趣向を凝らせた歌合には貫之をはじめ、壬生忠岑(みぶ の ただみね)、凡河内躬恒(おおしこうち の みつね)、藤原興風(ふじわら の おきかぜ)、源宗于(みなもと の むねゆき)、伊勢(いせ)など古今時代を代表する歌人が集いました。

オミナエシは『万葉集』に詠まれているとおり、花の名の女郎(をみな)に若い女性、高貴な女性、佳人の意味が込められてきました。オミナエシを女性に見立てたイメージは、秋を詠む主要な題材として受け継がれていきました。

貫之の一首は、晩夏に咲き始めたオミナエシの色鮮やかな花が秋になり、衰えをみせたことに寄せ、恋人に飽きられた女性のイメージを重ねました。秋の訪れを告げるオミナエシは、秋草の中でも草丈があり、遠目からも鮮やかな黄色い小花が浮き立ってみえます。秋の野で儚げに秋風に揺れる様は、たおやかで優美な女性の姿を想わせます。

雅な歌合に寄せ、初秋の情趣を詠まれた一首を書で表しました。

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