投稿者「ymatsu」のアーカイブ

源氏物語より「蛍」

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“Genji-Monogatari Hotaru”
五月雨の降る夜のことです。
源氏は玉蔓のいる部屋に蛍を放ちます。
玉蔓に想いを寄せている源氏の弟宮(蛍兵部卿)にその光で浮かぶ玉蔓の姿を見せました。
蛍の放つきらめく光に照らされた玉蔓に宮は心惹かれます。
光のきらめきを銀箔を散らし表わしました。
(12×13.5cm)

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「紫陽花のリース」09

“Hydrangea wreath”
あじさいの花を花色の変化で立体感を出しました。
シンプルなクラフトですが、和紙の色合いを楽しめるものと思います。
リースの部分はパッチワーク風の図柄の友禅紙を使っています。
(12×13.5cm)

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「山法師」

“Japanese Dogwood”
白い花が枝を覆うように広がる山法師。
初夏らしい爽やかさを与えてくれます。
楮の和紙に樹皮の入ったものと淡い緑と墨色をぼかした染め色の和紙を合わせて花器に見立てました。



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「胡蝶(こちょう)」1

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“Butterfly”1
蝶文様の色鮮やかな能千代紙と友禅紙などを取り合わせました。
赤い地色に蝶の舞う姿は、歌舞伎の鏡獅子(春興鏡獅子)に登場する愛らしい胡蝶の精を思い起こします。
花に戯れる可憐な蝶の舞姿をイメージし、ポストカードに表わしました。

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「源氏物語絵巻 第五十一帖 浮舟」

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“Genji Monogatari Emaki no.51 Ukifune”
「橘の小島の色はかはらじを このうき舟ぞゆくへ知られぬ」
橘の小島の常緑は変わることはないでしょうが、水面に浮かぶ小舟のような私の身はどこに漂っていくのでしょうか
匂宮は浮舟を小舟で宇治川を渡って対岸の家に連れ出します。
雪が降り積もった宇治川で、匂宮は小島の常緑の緑に寄せ浮舟への変わらぬ心を伝えます。
上の和歌は匂宮に対する浮舟の返歌です。
場面は宇治川で小島を前に歌を詠み交わす情景を表わしました。
有明の月が空にかかり、水面を曇りなくきらきらと照らしています。
月の光と浮舟の優美な姿によって宇治川の趣が艶やかに匂宮には感じられます。
(12×13.5cm)

宇治に隠れて住んでいる浮舟。
浮舟は匂宮と結婚した異母姉の中の君に新年の挨拶の手紙を送りました。
その手紙の文面を見た匂宮は、薫が宇治に隠している謎の女性(浮舟)と気づきます。
匂宮は浮舟が中の君の妹であることは知りません。
匂宮の邸で見かけた浮舟と再開したいと密かに宇治を訪れます。
薫を装って浮舟に近づくのですが、匂宮の一途な想いに浮舟は次第に惹かれていきます。

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源氏物語より「東屋(あずまや)」

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“Genji-Monogatari Azumaya”
源氏物語の第45帖「橋姫」より第54帖「夢浮橋」までは宇治十帖と呼ばれています
源氏の亡き後、宇治を舞台に薫と匂宮の二人の貴公子と女君たちの物語が語られます。
場面は、第50帖より薫と匂宮をめぐるヒロイン浮舟が暮らす京の三条あたりの小さな家の庭の情景を描いています。
荒れた庭は草が生い茂っており、秋の冷たい雨が降り注ぎます。
雨模様の情景は物語の今後を暗示してもいます。
東屋から夢浮橋まで宇治での浮舟をめぐる物語が展開されていきます。
宇治での物語には宇治川の情景がよく出てきます。
宇治川の四季の移ろいも物語を通して思い描いていただけましたら幸いです。

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「花短冊 黒百合」

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“Kamchatka lily”
高山に咲く花。
茶花としても活けられる花です。
黒百合は小さな黒褐色で深みのある色の花の存在感と深山の風情を漂わせる気品のある花と思います。
和紙の染色を活かし独特の花色を表してみました。
短冊掛けは竹の掛軸と合わせています。
花は実物の黒百合とほぼ同じ大きさです。
(短冊:36.4×6cm)

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