
桃と菜の花を紙雛(かみひいな)に見立てた一作。長閑な春景色を想起させる桃と菜の花を和紙の色合いによって表しました。
“Flower doll”

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袖ひちて むすびし水の こほれるを 春立つけふの 風やとくらむ(古今和歌集:紀貫之)
Sode hichite musubishi mizu on kohoreru wo hautatu kefuno kaze ya toku ramu
( kokin Wakashū :Ki no Tsurayuki )
夏に袖が濡れて掬った水が春になり、冬の間凍った水を東風が融かしてくれるだろうか、と立春を迎えた悦びを詠まれた一首。古今時代を代表する貫之の一首の詞書に「春たちける日よめる」とあるとおり、『古今和歌集』春歌上の立春から始まる第2番目に排列されています。
『古今和歌集』は中国詩の影響が色濃く表れています。紀貫之が詠んだ一首もまた、『礼記(らいき)』にみられる「孟春(もうしゅん)ノ月(つき)、東風氷ヲ解ク」にあるとおり、東風が氷を解かして春の訪れを告げるとした思考を背景として詠まれたことが窺えます。
貫之は、まだ冷気の残る中、氷が解けて山には霞がたなびき、草木が芽吹く春に立ち返る悦びを、清らかな水に託しました。春の訪れをみやびやかに詠まれた一首を書で表しました。
「植物」-草木のある風景-
2025 年3月11日(火)~3月16日(日)
12:00~19:00 (最終日は17:00にて終了)
gallery DAZZLE( 東京 北青山 )https://gallery-dazzle.com/
植物展に参加致します。日本の四季を彩る草花を立体・平面による作品を展開してまいります。
一日講座「スイトピーのブーケ」
2025 年3月29日(土) / 4月5日(土)
各日 10:00~12:00
小津和紙 ( 東京日本橋 https://www.ozuwashi.net/ )
蝶のようにひらひらとした花が春らしいスイトピー。多彩な咲き方で春を彩るスイセン。色鮮やかで愛らしい花色の花々を和紙の色合いとしなやかな質感で表します。作品はブーケにあしらい、そのまま飾っていただける形式に仕上げます。
講座のお申し込み・お問い合わせ・変更は、小津和紙文化教室(一日講座のページhttps://www.ozuwashi.net/lectureship_trial.html)までお願い申し上げます。
硬質な枝に柔らかで透明感のある鮮やかな黄色い花とふっくらと愛らしい蕾がつくロウバイ。和紙のしなやかな風合いと色合いによって表し、和紙をで象った蛤にあしらいました。
“Winter sweet”
艶やかな常緑の葉を茂らせ、枝先に優美な花を咲かせる椿。紅に白の斑が華やかな趣の椿を和紙の取り合わせと落ち着きのある光沢感によって表し、和紙を手折った花包みにあしらいました。
”Camellia”