和紙による薄、おみなえし、葛を縦長の短冊の画面に配し、野の風情を表しました。
”Autumn grasses”
「短冊:Tanzaku」カテゴリーアーカイブ
朝の色
ふりすさぶあさけの雨のやみかたに 青葉涼しき風のいろかな(伏見院御集:伏見院)
Furi susabu asake no ame no yamikata ni aoba suzushiki kaze no iro kana
(fushiminoingyoshū:fushimi no in)
『朝色』という題で詠まれた夏の叙景歌。
雨上がりの早朝の清々しい空気感を色で捉えたところが清新に感じます。
雨を好んで詠んだ京極派を代表する歌人、伏見院の歌集『伏見院御集』の一首です。
雨水をたっぷりと含んだ瑞々しい青葉の輝きが、時間の推移によって鮮明になっていくのを感じます。動的な降り荒ぶ激しい雨の音が止んだあと、対照的な静謐さが際立って感じられて雨によって洗い清められた青葉を渡る風もいっそう爽やかに伝わってきます。
和歌を書いた短冊、背景の和紙、青楓の葉の取り合わせによって夏の景を表しました。
白藤
柳桜
桜の季節に寄せて
見渡せば柳桜をこぎまぜて 都ぞ春の錦なりける(古今和歌集:素性法師)
画像は、今春の雛展より素性法師の和歌から着想した「桜に柳雛飾り」を掛軸に飾ったものです。
” Willow & Cherry Blossoms ”
にほんブログ村