雛人形・五節句: Hina doll ・Five festivals」カテゴリーアーカイブ

梶の葉

kaji-no-ha-

7月7日は七夕。願い事を書く紙が貴重であった古では、文字を書くことができる梶の木の葉が使われていました。七夕の夜、梶の葉に詩歌などを書いて供え、願い事をする習わしがありました。

七夕を歌題として梶の葉に託して詠んだ和歌から、梶の葉と七夕の願い事が結びついていたことがわかります。その一例として『後拾遺和歌集』にある、上総乳母(かずさのうば)の一首が知られています。

天の川とわたる舟のかぢの葉に 思ふことをも書きつくるかな

梶の木は、和紙の原料でもありました。梶は楮の原種で、楮より繊維が長いところに特徴があり、丈夫な和紙になります。また、梶の木は神聖な樹木として神事に用いられてきました。

和紙による梶の葉を天の川に見立てた緑を基調とした装飾のある継ぎ紙にあしらい、七夕をイメージしました。

“Tanabata”

にほんブログ村 美術ブログ 工芸へ
にほんブログ村


五月飾り

tango-16

5月5日の端午の節句に向けた短冊飾り。
邪気を祓い、息災であることを託す、菖蒲と蓬の葉を和紙で表した節句飾りです。まっすぐに伸びたしっかりとした質感の菖蒲の葉に対し、薄く柔らかな明るい葉色の蓬を質感の異なる和紙によって表し、立体感と生命感を出しました。

“Boy’s Festival”

にほんブログ村 美術ブログ 工芸へ
にほんブログ村


弥生雛

yayoihina-

弥生3月。雛の節句を象徴する桃と菜の花の精を人形に表したものです。和紙の風合いの柔らかさと温かみのある質感を生かしました。
桃の花のふっくらとした蕾がほころび、黄金色に野を埋めつくすよう菜の花が咲く春の野辺。明るく希望に満ちた春のうららかな田園風景を雛に込めたいと想った一作です。

“Hina doll”

にほんブログ村 美術ブログ 工芸へ
にほんブログ村