萩に蜩

人もがな 見せも聞かせも 萩の花 咲く夕かげの ひぐらしの声(千載和歌集:和泉式部)
Hito mo gana mise mo kikase mo hagi no hana saku yufukage no higurashi
no koe (Senzaiwakashū: Izumisikibu)

秋を伝える萩の花、そしてひぐらしの声に寄せる想いを詠まれた一首。平安中期に紫式部と同時代に活躍した女流歌人、和泉式部の一首です。

一首は『千載和歌集』の秋上部に撰集されています。『千載和歌集』は平安末期、後白河院から撰進の命を受けた藤原俊成(ふじわらのとしなり)が撰者となりました。和泉式部は藤原俊成をはじめ、源俊頼・崇徳院など、当代の歌人に並んで入集歌数が多く、 この勅撰集を代表する歌人の一人となっています。萩とひぐらしを詠んだ一首には、抒情を重んじた俊成の志向が窺えます。

夕暮れ、たおやかな枝に可憐に咲く萩の花、そして心に響くひぐらしの声が醸し出す秋の情趣を誰かと分かち合いたいという思いを歌いあげ、感動が真直ぐに伝わってきます。

しみじみとした秋の佇まい、感銘が心に沁みる一首を書で表しました。

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扇面 松虫草

秋の草原で涼やかに咲くマツムシソウ。薄紫の繊細な小花が多数集まって咲く独特な形状を和紙の柔らかな色合いと質感で表し、扇子にあしらいました。

”Scabiosa japonica”

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和紙クラフト一日講座「照葉に小菊」

和紙クラフト 一日講座「照葉に小菊」
2021年 10月30日 (土)/ 11月23日(火)
祝日
各日 10:00~12:00
小津和紙 ( 東京日本橋 http://www.ozuwashi.net/ )

晩秋、色艶やかな照葉。楚々とした佇まいで照葉に映える小菊。和紙の奥深く変化に富んだ色や風合いを生かし、照葉の美しい紅万作(マルバノキ)の一葉の葉色と形の変化、白菊の枝ぶりと一輪ごとの表情を考えながら自然な趣に表します。作品は、和紙を手折った花包みにあしらい、そのまま飾っていただける形式に一回で仕上げます。

講座のお申し込み・お問い合わせ・変更は、小津和紙文化教室(一日講座のページhttp://www.ozuwashi.net/lectureship_trial.htmlまでお願い申し上げます。

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扇面 秋麒麟草

秋の野を彩るアキノキリンソウ。繊細で鮮やかな黄色い小花を段々に咲かせ、深まりゆく秋の情趣を伝えます。和紙の柔らかな風合いによって花の風情を表し、扇子にあしらいました。

”Golden-rod”

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