投稿者「ymatsu」のアーカイブ

「源氏物語絵巻 第四十一帖 幻」

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“Genji Monogatari Emaki no.41 Maboroshi”
年が改まったものの紫の上を亡くして以来源氏は人と会う気にもなれず、紫の上のことを思い出すばかりでした。
紫の上が生前可愛がっていた、明石の中宮の三宮である幼い匂宮が慰めになっています。
紫の上の一周忌も済み年の暮れを迎えた頃、源氏は残しておいた紫の上の手紙を全て焼き、出家の意思を固めます。
(12×13.5cm)

絵巻で綴ってきた「第一帖 桐壺」から始まる光源氏を主人公とした物語は「第四十一帖 幻」で終わります。
源氏を桐、紫の上を桜で表わしてみました。
「第四十二帖 匂宮」までの数年の間に源氏も亡くなっています。
幻から匂宮の巻の間にあった源氏のその後について直接語られてはいません。
物語の中心は柏木の巻で誕生し、源氏と女三宮の子として育った薫と源氏の孫にあたり明石の中宮と今上帝の第三皇子である匂宮に移ります。
薫と匂宮は年頃も同じで、幼い頃から親しい関係にあります。
薫は源氏の後継として官位の昇進もめざましく、周囲からも大事に扱われています。
そのことはかえって薫自身を悩ませ、この世の中のことを空しく思っています。
物語は薫が14歳で元服を迎えた年から始まります。

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「源氏物語絵巻 第四十帖 御法」

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“Genji Monogatari Emaki no.40 Minori”
紫の上は大病をして以来、病状は思わしくなく死を自覚しています。
一時の小康にあり見舞いに来た養女の明石の中宮と庭の萩を眺めます。
死を前にした紫の上は、「おくと見るほどぞはかなきともすれば風に乱るる萩の上露」と萩の葉に露が宿っても風で散って消えてしまうような我が身のはかなさを歌に詠みました。
紫の上の歌を受け、源氏と明石の中宮は「露の世」を詠みました。
(12×13.5cm)

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「花色紙 藤 」no.2

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“Hana-Shikishi Wisteria no.2”
藤の花房が風になびくような姿を描きました。
掛軸には柳茶/草を合わせています。
色の組み合わせはいくつかありますが、藤の存在感をはっきりさせるものを選びました。
掛軸の外側の茶色がかった濃黄緑の柳茶は藤の葉の表情をはっきり見せてくれるようです。
(12×13.5cm)

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「杜若と花包み」

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“Iris wrapped in washi paper”
端午の節句をイメージした趣向です。
邪気を払うために菖蒲が飾られました。
ここでは和紙で作ったかきつばたを使い、友禅和紙と裏地が金加工された金千代和紙で包みました。
(L.34cm)

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